01 辿り着いた先
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ですが、どうしてこの世界に?」
「それこそ分かんない。家に帰る途中に車に引かれそうになった男の子を助けて後、私が代わりに引かれて気がついたらここに……って私、怪我してない!?」
帰宅途中から目を覚ますまでの経緯を話していて思い出した。そう…私は車に引かれたのだ。大怪我をしていてはずだ…でも体には痛みは感じない。
「あなたを保護した際に怪我をしていたと言う報告は聞いてません。一応、治癒師が回復を施したと言ってはいましたが…ところで”クルマ”とは何です?」
ジェイドは組んでいた腕を解いて、両手をポケットに入れて説明をすると同時に質問もしてきた。
とりあえず座ったまま軽いストレッチをして体の状態を確認する。痛みは感じないから本当に怪我はしていないみたいだ。
「あ~えっと。車ってのは私の世界の乗り物だよ。ここにあるのかは知らないけど馬車みたいなもんかな?」
「ふむ…そうですか。本当に嘘をついている様子もないですね」
右手だけポケットから出してそのまま口元に置く。この状態で嘘ついたって私には何の得もないのに。
「こっちも訳分かんない…あっ!私の荷物は?」
両手をベッドについて溜息を零した際に気が付いた。私のバッグと刀袋がないことを。
「あなたの荷物なら私が預かってますよ。武器を所持していたのでこちらで確保させていただきました」
「返して」
「駄目です」
自分が持っているというジェイドに向かって返せと手を出せば、今度はジェイドのほうが間髪入れずに却下する。ムッとして「何で?」と問えば、「まだ拘束中だからです」と返された。