10 月夜に浚われて
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ご主人様、優しいですの」
「ち、ちげーよ!このおっさんにぶっ倒れられると迷惑だから……」
ミュウの言葉に顔を真っ赤にしたルークが否定した。けどガイが「照れるな照れるな」ってニタニタした顔を浮かべればルークは「照れてねー!」と叫び声に似た声をあげる。
「全解除は難しいですか?」
そんな会話を余所にティアがジェイドに尋ねる。私も気になっていたからジェイドに顔を向ける。封印術はなかなか複雑なものらしく全解除には数ヶ月掛かるらしい。が、流石はジェイド。余計な一言を言うのは忘れない。
「戦闘力にはみなさんとは遜色ないですよ」
「むかつく……」
「コレさえなければね」
確かにジェイドの元々の能力を考えれば今がルークらにはちょうどいいのかもしれないけど。でも今ここで喋っているだけでも相当辛いはずなのに本人は至って平気な素振りをしてる。もしもの際は私がフォローに入ればいいからそこは目を瞑ろう。
「それではよろしくお願いします」
夜もだいぶ更けた頃。私は再び元帥の元に訪れていた。タルタロスに乗っていた第三師団の兵たちはグランコクマへと一足先に戻ったと聞いているからそれより先に鳩で報告書を送りに来ていた。戻った兵がピオニー以外の者に"神託の盾"に襲われたと口にしないようにという内容で。これはジェイドの案で下手に話が出回るとキムラスカとの戦争を締結させるどころかローレライ教団と敵対関係になってしまう。ただでさえイオンがここにいる……人質に取られているとか言われるかもしれないから。
「早く帰って私も休みたい」
人使いの荒い上司を持つと苦労する。「上司を労りなさい♪」とか言うし。まあ、封印術で万全じゃないジェイドを少しは労らなきゃいけないけどさ、もう少し言い方ってものがあるに。何で人をカチンとさせる言い方しか出来ないのかな?