10 月夜に浚われて
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「カイツールまで行けば海側から捜索してるヴァン謡将と合流できるな」
「…えっ!?ヴァン師匠も探してくれてんのか?」
カイツールと聞いて思い出したように言うガイにルークが嬉々とした声を上げる。そんな中、ティアが小さな声で「兄さん」と呟いた。それにガイがやんわりと諫めるように「屋敷みたく斬り掛からないでくれ」と言うとティアは「努力するわ」とだけ言ってそれ以上は何も言わなかった。
「ところでジェイド坊や」
「元帥…その呼び方は止めて下さい」
三十後半のおじさんでも元帥にかかればまだまだ"坊や"みたいだ。ジェイドは言っても無駄なのが分かっているから溜息を吐きながら肩を落とす。
「お前さんとこの部下が先日この街に辿り着いたぞ」
「部下って…」
「恐らく、紫鶴がタルタロスから退避させた乗組員の事でしょう」
髭を擦りながら元帥がそう言った。ルークがジェイドに首を傾げると、ジェイドは眼鏡のブリッジを上げ、私の方をチラリと見た。
「詳しくではないがある程度の事情も聞いた…お前さんの部下は神託の盾が来る前に首都に帰したが」
それならば無事に逃げられた…と思ってもいいと思うけど。
「分かりました。ありがとうございます」
私達は元帥たちにお礼を述べて屋敷を後にした。そのままアニスと合流するためにフーブラス川へ向かおうと門の方へと足を向けたときだった。
「神託の盾だわ!隠れて」
ティアが声を上げる。見れば門には神託の盾の連中はいた。一兵卒だけならともかくそこにいたのは六神将もいた。
「導師イオンは見つかったか?」
「セントビナーへは訪れていないようです」
「あの人たち…アリエッタの敵。ママの仇…絶対に許さない」
金髪の女性…確か、リグレットだっけ。が兵士に問うが馬車に隠れてこの街に入った私達は街には来ていないと答える。けど、私はアリエッタの言葉が気になった。