10 月夜に浚われて
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「大丈夫ですよ。奴らの狙いは私たちです。私たちがいなくなれば退きますよ」
「どういうことじゃ?」
小さく息を吐くジェイドの言葉に元帥と将軍は首を傾げた。
「すみません、元帥。陛下から勅命で機密事項に属するので詳しいことは言えないんです」
もう一度、すみませんと言うと「嬢ちゃんが悪いわけではない」と微笑んでくれ。一人仲間外れにされてるのが気に食わないのか将軍はわざとらしい咳して「用件は?」と機嫌悪そうに尋ねる。
「ああ、失礼。こちらに導師守護役は来てませんでしたか?」
「ああ。あれですか…手紙を預かってます。念の為、中身を拝見させてもらいましたが」
これまた胡散臭い笑みを浮かべるジェイドにイラっとしたのか、少し皮肉じみた言い方をするグレン将軍。手紙を受け取ったジェイドは「結構ですよ」と返す。アニスが私らに都合の悪い書き方をするわけがないしね。見られて困ることもない。
「どうやら半分はあなた宛のようですよ?」
「は?何で俺?」
眉根を寄せてジェイドからその手紙を受け取るルーク。私とガイがルークの横からその手紙を覗き見る。
「……目が滑る」
「おいおいルークさんよ。モテモテじゃないか」
「はぁ~アニスらしいというかなんていうか」
ルーク受けするようにワザと可愛らしく書かれた手紙。ルークはアニスの意図が分からないみたいで面倒くさそうにしてる。ガイはニヤニヤと笑みを浮かべながらルークの肩に手を置いてそう言った。私は呆れるしかなかったけど。
「それで大佐。ポイントβ…というのは?」
「ここから南西の街カイツールです。ちょうどフーブラス川を渡った先ですね」
カイツールは非武装地帯だから神託の盾の連中が追ってきても何も出来ないはず。ここまで行けば何とでもなる、ってことだ。