10 月夜に浚われて
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「カーティス大佐に葛城少佐じゃないですか!…それにルークだったかい、旅の人」
「ローズさん!」
馬車から顔を出したのはローズさんだった。これは寧ろラッキーだったね!
「おばさん。悪りぃけど匿ってくんねーかな」
「…どうしてだい?」
「セントビナーにイオン様を狙う不逞な輩がいるんです」
だから欺くために馬車に匿わせて欲しいと言うと、ローズさんは快く承諾してくれた。さすがにこれだけの人数が見つからないように隠れるにちょっと…いや、かなりキツかった。
「ジェイド、何処でアニスと落ち合うんだ?」
「マルクト領事館で落ち合うことになってます」
ローズさんと別れ、ここで合流するはずのアニスは何処だと聞くルーク。ジェイドがこっちですと先を歩き出した。
「お取り込み中、失礼しますよ」
ノックをしても返事のない部屋にジェイドは遠慮なく入っていく。
「死霊使いジェイドに蒼炎の瞬光…!」
「おお!ジェイド坊やに紫鶴嬢ちゃんではないか!!」
人の姿を見るや否や、あからさまにイヤな顔して二つを呼ぶのやめてくれないかな?すっごくムカつくんだけど?
「ご無沙汰してます。マグガヴァン元帥とグレン将軍」
「お久しぶりです」
ジェイドは社交辞令にちゃんとグレン将軍にもあいさつしたけど私はグレン将軍のほうは見ず、元帥に頭を下げる。
「わしはもう退役したんじゃその名を呼んでくれるな」
長くて白い髭に触れる元帥。さらに外にいる神託の盾をどうにかして欲しいと懇願してきた。私らを追ってきた神託の盾の連中が勝手に門で検問なんてやってるせいか困ってるんだろう。あんな事をされては住民や街に来る旅人らは不安だしいい迷惑だろう。