10 月夜に浚われて
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私たちは朝食を食べて、今後の事を決めた。
「この先、私とガイ、ティア、紫鶴で陣形を取ります。あなたはイオン様と一緒にいて、もしもの場合は逃げて下さい」
「…えっ?」
ジェイドの言葉にルークが目を見開く。驚くのは無理はないね。ルークは昨日、初めて人を殺した…今まで屋敷の中が彼の世界だったのに、人を殺してしまったショックがまだ抜けてないんだし。
「お前は戦わなくても大丈夫ってことだよ。さあ、行こうか」
ガイはポンってルークの肩を叩いて先を歩き出す。これが一番だと、私やティア達も歩き始めた。
「ま、待ってくれ!」
歩き始めた私たちにルークが声を掛ける。何事かと足を止めて振り返るとルークは一瞬、目を逸らして直ぐに視線を私らに戻す。
「どうしたんですか?」
「……俺も戦う」
急に呼び止めたルークにジェイドが尋ねる。さすればルークは少し躊躇いながら自分も戦うと言う。
「人を、殺すのは…怖いんじゃないの?」
そんなルークに私が訊けばルークは肩をビクッと震わせた。人間そんな簡単に変われるもんじゃない。
「……怖くなんかねぇ……そりゃ、ちょっとは怖えとかあるけど」
少し無理して「怖くない」と言ったけど、直ぐに「怖い」と素直に言い直した。瞳はまだ揺れていた。
「戦わなきゃ身を守れないんなら、戦うしかねぇだろ!俺だけ隠れてなんかいられるか!」
今度はしっかりと私たちに視線を向ける。微かに瞳はまだ揺れているけど視線は逸らさない。
「もう決めたんだ。これからは躊躇しねぇで戦う」
ルークの決意。これがどれほどのものなんだろう。我が儘な箱入りのお坊ちゃんのこの決意。プライドが言わせているのか、元々のルークの素質なのか…今は、まだ見極められないかな。