10 月夜に浚われて
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タルタロス襲撃から一夜が過ぎた。昨夜は私が見張りを買って出たけどジェイドにあっさりと却下された。理由を問えば私が一番戦闘をしていて一番疲れているから、と。それに間違いはない…確かに凄く疲れた。ライガクイーンとの戦闘と神託の盾の連中ともやり合ったから実は疲労で限界だった。意固地にはならずに「じゃあ、お願い」と言ってさっさと横になると直ぐに襲ってきた睡魔に身を委ねて眠ってしまった。
「おはよ」
「おや、早いですね」
むくって上半身を起こして見張りをしていたジェイドに声を掛ける。既に日が昇っていてだいぶ経っているみたいだから早くもないと思うんだけど。まあいいか。
「体の調子は?」
「大丈夫。あれくらい、一晩休めば回復するよ」
実際、何度も出兵した小競り合いの時はもっとハードだったから寝れば体力は戻る。
「ならいいです」
これからは徒歩で移動しなければならない。しかもタルタロスは拿捕されてしまったから向こうの方が機動力がある。既に追い抜かされてるだろうし。私らだけでイオンを守らなければいけない。
「では、皆さんを起こして朝食を取ったら直ぐに出発しましょう」
「はーい」
まだ寝ているルークらを起こしにいったんだけど…まぁ、ルークの寝起きの悪さには驚かされたね。思わず葛の葉を抜きそうになっちゃったけどね。
「早いのね…もう平気なの?」
「そうだぜ。横になったと思ったらもう寝息を立ててたから心配したよ」
とティアとガイも口を揃えて「心配した」と言う。極めつけは、
「紫鶴にばかり無理をさせてすみません」
とイオンにまで謝られてしまった。イオンのせいじゃない、これは私の仕事ですって笑えばイオンは苦笑を浮かべる。年下の子に気を付かせちゃうなんて、軍人失格かな。