03 蒼を纏い日々綴る
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「本日より入団致しました、紫鶴・葛城です。よろしくお願いします」
軍基地内の第三師団の各部署に挨拶回りをしている。挨拶回りをして名前を覚えてもらうのと同時に上司となる将校の顔を覚えることも含まれている。凄いことに…私一人で回っているのだ。ジェイドは「子供じゃないんですから一人で平気ですよね?」って、言うし。私も売られた喧嘩は買うようにしているせいか「当然!」っと言って一人で歩き回っているのだ。
「紫鶴さん?」
基地内の廊下を一人で歩いていると名を呼ばれ振り返る。そこにはピオニーにお茶に誘われて彼の執務室で紅茶を啜っているときに出会った、アスラン・フリングス少将がいた。書類の束をいくつか小脇に抱えこちらに歩み寄ってくる。
「一人ですか?」
「はい。今日から入団初日なので挨拶回りを」
基地内を一人で歩いているのが不思議だったのか、アスランは首を傾げる。
「えっ?カーティス大佐は?」
目を開いて驚いたアスランは持っていた書類を落としそうになる。一応、彼は私の"事情"を知っている。ジェイドもピオニーもアスランは信用できると言っていたから、それに関しては信じていいと思う。
「あ~えっと。売り言葉に買い言葉に乗っちゃったのがいけないんですけど、実際は"依怙贔屓"はしないが理由だと思うな…」
見事に主語のない言葉で話すとアスランは再び首を傾げた。少々、説明も面倒だったけど今朝あった事の経緯を話す。すると、アスランは「なるほど」と笑う。
「私でよければご一緒しましょうか?」
と申し出てくれた。この優しさをどこかの鬼畜眼鏡の大佐殿も見習って欲しいもんだ。