09 蒼炎舞う
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「解けてますよ」
私の髪に手を伸ばすジェイド。その手を見れば三つ編みに結われていたはずの髪が半分くらい解けていた。
「ほんとだ。ゴム切れちゃったんだ」
「じっとしてて下さい。直します」
一度髪を解いて器用に編んでいく。それを私だけじゃなく、ルークやティア達もじっと見ている。新しいゴムを軍服のポケットから取り出し、結い終えたジェイドに渡す。
「…なに?さっきから」
「いや、仲いいんだなって思ってな」
「そうね。上司と部下なのに…」
どうやら私がジェイドに対してフレンドリーに接しているのが不思議だと言う。ああ、そりゃそうだよね。説明してなかったもんね。ジェイドが私の後見人で一緒に暮らしてる事とか言ってなかったもんね。
「それは――」
「紫鶴は特別ですよ」
そうそう…って何言ってんのよ!?思わず頷きかけてしまい慌ててジェイドの顔を見ればこれでもかってくらい満面の笑みを浮かべている。何企んでるのよ!って叫べば「本当のことですよ~」とおどける。ジェイドの言葉に真に受けたイオン以外の三人は目を見開いて驚いている。
「違う!違う!そんなんじゃない!!」
必死に誤解を解こうと声を荒げる。こんなに力一杯に否定することもないのに、余計に誤解を招くだけなのに。だって、説明する暇もなかったもん…でも、まぁいいか。ジェイドなりに気を使ってくれてるんだから。
「ありがとね」
「いえいえ。特別なのは本当のことですし」
少し照れながらお礼を言えばジェイドは優しく微笑み返してくれた。返事をした後の言葉は小声過ぎて聞こえなかった。けど敢えて聞こうとも思わなかった。
「ジェイドもピオニーやアスランみたい」
「一緒にされるのは心外です」
戦うことでしか恩を返せない私をいつも優しく見守ってくれる。戦乱の仲離れ離れになって初めて不安を感じた。任務で離れた事なんて何度もあるのに……再会できたときの喜びと安心を忘れることは出来ないよ