Dear Your Birthday
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「誕生日、おめでとうございます」
いつも通り綺麗にほほ笑んだ彼は手に持っていた花束を私に手渡した。色とりどりのバラやそれに合わせた花が束ねられており、包んでいる包装紙やリボンまで貧乏性な私からすると品があってお高そう。そんな私の心境を知ってか知らずか目の前に立つ彼はかなり上機嫌である…そんな気がする。
「ありがとうございます」
そろそろおめでとうの言葉に素直に喜べない年齢になってきているけどお祝いしてくれる人がいるのだから大人しく受け入れておこう。でもまぁ、なんだかんだ嬉しいものは嬉しいし。花束なんてもらったこないし。
「……」
「どうかしましたか?」
花はとても綺麗だ。それはいいんだけどなんとも言えない感じについ目の前の彼を見上げてしまう。訝しげ表情な私と対象に変わらずに綺麗な笑みで返されてしまうと気にしている私一人が馬鹿みたいだ。
「……ジェイドさんってこういうの似合いますよね。それになんの臆面も照れもなく通常運転ですし」
少し着飾った格好で私一人では絶対に入らないであろうお高そうなレストラン。しかも個室。勝手知ったる相手と一緒でも今まで自分には縁もなかったこの状況には緊張してしまう。が、、向こうは余裕がたっぷりある様子で正直面白くない。
「照れる要素は感じられませんがこれでも少しは緊張してますよ」
「嘘だー」
ジェイドが緊張?なんとも似合わない言葉だろう。口にしたら何をされるかわからないから声には出さないが。
「真咲。私をなんだと思ってるのですか?これでも一応は人間なので緊張の一つくらいはしますよ」
「…一応ですか」
私から言っておいてなんだけど自覚はあるんだ。
「気に入りませんでしたか?」
「そうじゃないです。嬉しいんですけどこんなお高そうな服を着て、お高そうなお店で、綺麗な花束をもらって誕生日を祝ってもらったことがないので正直困惑してます」
所詮はごくごく一般庶民なのだ。貧乏性と言ったらそれまでなんだけど今着ている服だっていくらするんだろう。生地からいって高そう。それにきめ細かいレースもあしらってあるし。要は何もかもに困惑しているのだ。