ご奉仕いたしましょ!
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「アオ。少将にお茶を」
「あ、はい」
フリングスさんの手を借りて立ち上がると、無表情ではないけどよく読めない顔でそう言った。
「アオ」
給湯室に向かおうとすれば名を呼ばれる。まだ何かあるのかなと振り返るとジッとこちらを見ていた。何か言いたげに、でも何も言わない。わからなくて首を傾げて気が付いた。今の自分の状況。何でこの部屋にこの姿でいるのか。
「か、かしこまりました……ご主人サマ」
この姿を晒してるだけでも恥ずかしいってのに中身までメイド姿を見せることになるとは。言葉もどこかカタコトっぽくなってしまう。ちらりとフリングスさんを見れば、目を丸くして口をパクパクさせている。そりゃあ驚くよね……只でさえこの服を見て驚いてるのに。
「おや?嫌そうな顔しますねぇ」
「滅相もございません、ご主人様」
絶対に楽しんでる。私で遊んで楽しんでる。こういう人だとはわかっているけど嫌いになれないのが憎い。
「ぼぼぼ僕は……ここここれで失礼します!」
カーティス大佐、書類の方をお願いします!と叫びながら颯爽と去っていった。止める間もなく。
「……えーっと」
「では、私の分をお願いします」
どうしようかとジェイドを見ると眼鏡の位置を直し彼の分だけを用意するように言われた。はい、とだけ返事して今度こそ給湯室に向かう。
「……悪い事したかなぁ」
互いにタイミングが悪かった。ジェイドは楽しいだろうけど、私とフリングスさんは恥ずかしいしかない。互いに居たたまれない感じで、どう声を掛けていいのかわからなくて。服を着てるだけならともかく、メイドとして接しなければならないんだもん。
「早く解放されたい」
この服を脱いでいつもの軍服を着たい。普段なら着たいとは思わないのにこれを脱ぎたいと思ってる。この年になって着る服じゃない。ティア、アニス、ナタリアなら可愛いよ。
「……私だってあと10才若かったらさ」
着てみてもいいかなって思うけど、さすがに20半ばの女が着る服じゃない。はぁ、と溜息吐いて入れた紅茶をお盆に乗せて給湯室を出る。
「どうぞ」
すでにソファーでくつろいでいるジェイド。人の気も知らないでと内心思いつつ、ソーサーに乗せたティーカップをテーブルに置く。