静寂な月夜に
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「ってことは恋人同士なんだ……」
「なんだと思ってたのですかあなたは」
現実味がなさすぎるんです。あのジェイドと恋人同士なんて夢意外何者でもなくて。あまりにも間抜けなことを言ったからか、呆れるジェイド。そう言われてもなぁ。
「なら証明してあげますよ」
もう一度同じセリフを吐くと近かった顔は更に近付き唇を彼のそれで塞がれる。さっきみたいな触れるだけのキスじゃない。腰と頬に手を添えられて逃げることは出来なくて。突然だったんだけど簡単に受け入れてしまって。ぎゅっと彼の軍服を握る。
「……ふぁ」
久しぶりのキスに頭が少しクラクラする。自分でも何て声出してるんだと思うもののぼーっとする頭ではそこが限界。
「おや?誘ってるのですか」
「ち、違います!」
気を付けないとこの人に何されるかわからない。予測が付かないから怖いよ。
「本当に可愛い人ですねぇ」
「……あんまり嬉しくないです」
言葉は良いものだけどこの年になるとちょっと複雑。嬉しい反面、悲しい反面。複雑な乙女心なのですよ。
「もう乙女という年でもないでしょう」
「心ん中読まないで下さい!」
な、泣きたくなってきた。何にと問われれば全てにと答えたいくらい。諦めるしかないんだけど。
「これでも必死に色々我慢してるんですよ?」
例えばもっとキスをして触れたいとか、ね。と艶を含んだ笑みを向けられると引きかけた熱が再度復活してくる。毎日こんなんになるのかと思うと先が思いやられてしまう。
「そ、そのうち……」
私もだなんて口が裂けても言えない。それ以前に今はそんな事している場合じゃない。夜が明ければ再び登城してて結論を聞かねばならない。まだナタリアが不安がっているのに私一人が幸せでいいんだろうか。
「仕方ありませんねぇ」
そう言う問題でもないと思うんだけど。よくよく考えたならば普段はみんなと一緒なんだよ。そう言うことには勘のいいアニスが一緒だというのに……忘れてた。絶対にからかわれるし弄られる。彼女にとってこんなおいしい話はないもん。前途多難。ジェイドが隠したがる訳ないしなぁ。穴を掘って籠もりたい気分だ。