静寂な月夜に
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「で、でも……バチカルで言ったときはまだ……私のこと好きじゃなかったんですよね?」
気になりだしてたとしても好きだったわけじゃないなら矛盾する。その辺りはどうなんだろう。意味のないことを言う人じゃないし。
「理由は二つ。まずはその力を他国に手渡しては危険だと思ったこと」
そりゃそうだ。ジェイドが音素を含まない言葉を具象化する力なんて誰も使えない力を使う人間を野放しなんてしないだろう。じゃあもう一つは?
「私自身が私の側から離したくなかったからです」
「好きじゃなかったのに?」
余計に意味がわからなくなる。というか、宿題の答え……複数ない?私が出した答えはジェイドが私が好きだからでと思ってたけどグランコクマで再度言われた宿題の方みたいだし。バチカルのでは違うと思うんだけど。
「どっちにしても独占欲が働いたんですよ。私の物にしたいという」
どちらの意味でも、と続けた。特殊な力を持つから我が元に置きたい、好きだから側に置きたいと言う意味で……うぅ、顔だけじゃなく体中が熱くなってきた。恥ずかしいのとか色んなものが駆け巡って熱い。
「真咲?」
これ以上、真っ赤になった顔を見られたくなくて俯いく。この人の前でどれだけ赤面してるんだろうか。
「……まだ夢見てるみたいで」
ゲームの登場人物と最初は思っていて、でも一人の人間と触れてきた。意地悪なところはそのままなんだけどたまに見せてくれる優しさが嬉しくて。どんな理由でも側にいてくれて、助けてくれてこの腕の中は安心できて……まさか自分が彼を好きになるなんて思いもしなかった。そして告白されて断ったけど、私から告白して受け入れられて。そんな今が夢見心地。
「夢、ですか?」
顎に手を添えられて持ち上げられる。その表情、ものすごく意地悪ですよ。私で楽しんでる。
「証明してあげまょうか」
「い、いいです」
身を屈めて顔を近づけてくるジェイド。位置的には互いの鼻が掠めるまで1、2センチ程度。それ以上近付かれたら今度は唇が触れそうになる。そ、そうだった。さっき私、ジェイドにキスされたんだっけ。触れる程度だけどしたんだっけ。思い出した。初めてな訳じゃないけど、その、うん。