静寂な月夜に
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まるで夢を見ているようだ……
「あの~」
自分から抱きついていて何なんだけどと思いつつ、顔を彼の胸から離し見上げれば、はい?とにっこり微笑んで返される。そんな笑みを浮かべられると少し言いづらい。
「……そろそろ離れてもら……」
「嫌です」
私が言いきる前にきっぱり拒否されました。離す気はもっぱらないと言うことで。手離さないの意味が違う気がしますが気のせいでしょうか……う、嬉しいけど。ねぇ…。
「私がどれだけ我慢してたと思ってるんです」
「我慢って……」
この人の我慢って凄く怖いものを感じるんだけど。待たせた…待たせたの?告白されてまだ一ヶ月も経ってないけど……待たせたのかな?そもそもの疑問もあるんだけど。
「ジェイドさんは私のことその……いつからだったんですか?好かれるようなことも何もしてないですけど」
ジェイドほどの人がどうして私なんだろう。美人でもなければスタイルが良いわけでもない。年甲斐もなく泣き虫でネガティブ体質だし。良いところなんて何一つないような……自分で言ってて虚しくなる。
「いつから、と問われたらケテルブクですかね」
そ、そんな前から。外殻に上がってそんなに経ってない頃って。私が自覚するより前からだったんだ。でも何で?
「自覚したのはケテルブクですが、気になっていたのはもっと前ですかね」
「ええ?更にですか…」
もっとって。私本当に何も身に覚えがないけど何か好かれるようなことしたっけ?逆に迷惑ばかり掛けてたけど。
「少なくともバチカルにたどり着いた頃には気になってたのでしょうね」
「でしょうねって……曖昧な」
バチカルなら更に前だ。崩落する前からなんて、信じられない。あの頃って私が不振な態度ばっかり取っててすごくギクシャクしてたから好かれてたなんて信じられない。
「宿題の答えは出ましたか?」
忘れてましたー。とは言えないよね。だって考えてる暇はなかったし。えっと、内容は。えっ、内容って……
「まさかまだわからないとか言いませんよね?」
言えないけどそう言う意味だったんだ。私が怪しいから手離さないとかじゃないってことで。うわぁなんだか恥ずかしくなってくる。照れる!照れるしかないでしょ!