純白を纏いし愛しき貴女
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「はい、誓います」
式は何事もなく順調に進み、残るは最後の行程。私としても何の問題もないのですが、旋華はどんな気持ちなのでしょう。まあ、わからないこともないですが。
「では、誓いの口づけを」
神父の言葉に向かい合う。ヴェールの隙間から見える彼女の頬はやはりほんのり赤い。これがこんな所でなければ、なとど少々不謹慎なことまで浮かんでくる。
「動かないで下さいね」
ヴェールを上げながら彼女にしか聞こえないくらいの小声で言う。ピクッと旋華の肩が震えたが、小さく頷く。相当、緊張しているようですね。本当にするわけにはいきませんから、彼女の左頬に手をそっと添えて口元を見えないようにして、キスをしているように顔を近づける。周りからは、溜息にも似た息を吐くのが聞こえた。
「はぁ、あとはブーケトスだけ」
やはりキスの所を緊張していたのか、それが終わった後の旋華は表情が緩んでいた。私が相手だから緊張したと言ってくれたら嬉しいのですけどね。そんな想いもつゆ知らずか、教会の外へとゆっくり歩き出す。外を見れば模擬の式のブーケでもいいから欲しいのか階段の周りを囲む多くの女性。その中にはなぜかティア、アニス、ナタリアまでもがいた。
「やっぱり女の子ですね」
「私にはわかりませんがね」
花嫁の投げたブーケを受けとった人が次の花嫁になると言うジンクスを信じているのかすでに手を伸ばしている者もいた。それを見て旋華はクルッと後ろを向きブーケを一度上へ掲げる。
「行きまーす」
両手で持ち直して空高く飛ばす。誰が受け取るか、投げた彼女も気になるのかすぐに振り返ると、そのブーケを受け取ったのは、
「えっ、俺?」
ルークだった。あまりのお約束にガイは頭を抱えティアたちはぽかんと呆れていた。アニスだけがルークのばかぁ!と怒ると、周りもぶーぶー文句を言い始める。
「なっ!……っ!や、やるよ!」
理不尽だと怒るかと思えば顔を赤くしたルークは隣に立つティアに手渡した。受け取ったティアも顔を赤くして小さな声で……ありがと。と答える。アニスはけっ、とまた本性を露わにし、周りはごちそうさまですと二人を見ていた。