純白を纏いし愛しき貴女
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「たとえば……誓いのキスは本当にするのかしないのか、とか」
ニタリと笑うアニス。同じ事を思ったのかティアとナタリアも頷く。
「それは、さすがに……」
「えっ?ジェイドと旋華はキスするのか!?」
ないだろうと言い掛けたのでしょうか、ガイの言葉を遮ってルークが大きな声を出す。それにすぐに反応したのは旋華で、そんな訳ないでしょう!と真面目に返す。そこまで力一杯否定されるとさすがの私も少々傷つくのですがね。
「指輪の交換はするけど、その……誓いのキスは……振りだけだよ」
「角度的にしている風に見えるようにですけどね」
人前で、かつ本当の結婚式じゃないんだからそこまではしないと旋華は続けて言う。私は別に本当にしてもいいんですけどね、などと言ったら彼女は怒るでしょうか。それても茹で蛸みたいに顔を真っ赤にするんでしょうかね。それはそれはみたいものですが、あまり遊ぶと嫌われてしまいますから止めておきましょう。
「すみません。そろそろ時間になりますけどよろしいですか?」
「は、はい」
「私たちはチャペルに移動します」
コンサルタントの女性が呼びに来たので、ティアたちは見学客と混じるためにチャペルへと移動し始める。旋華のドレスの裾は呼びに来たコンサルタントの女性が持つ。
「では行きますか?」
「は、はい」
ブーケも受け取り我々も移動しましょうと動き出そうとすると、緊張からか声を裏返させる旋華。思わず、クスクスと笑ってしまうと、笑わないで下さいと頬を膨らませる。
「どうぞ」
手を差し伸べれば、キョトンと目を丸くしたものの、はい。と普段のように返事をして私の手を取る。こんな日がいつか来ればと、らくしないことも考えてしまう。
「こちらでお待ち下さい」
この扉の先にたくさんの見学客やルークたちがいる。旋華に、準備はいいですか?と問えば、あとは当たって砕けろです。と気合いを入れる旋華。あまり力が入ると空回りしそうですが余計なことを言って緊張が増すよりはいいかもしれませんね。
「今日だけは、あなたは私の花嫁ですよ」
扉が開くと同時に彼女の顔を見て言えば、やや間がありながらも、はいと再び返事をして私の腕にそっと手を置く。