純白を纏いし愛しき貴女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「旋華?」
ゆっくり近づき彼女の名を呼ぶ。名を呼ばれた旋華がドレスをふわっと翻しながら振り返る。ほんのり施された化粧の印象か、普段の幼い顔は見当たらない。
「……綺麗だ」
そう呟いたのは頬を染めたルーク。ジッと見つめたままでいると、同じように頬を染める旋華があんまりジッと見ないでね。と小さく微笑む。その表情に私までもが心を奪われた。
「いや、本当によく似合ってるぜ」
「ありがと」
似合っていると言われて悪い気はしないのでしょう。クスッと笑い礼を述べる旋華。
「純白の花嫁……素敵」
「正確にはなんちゃってだけどね」
うっとりとしたような虚ろな瞳で旋華を見てぽつりと呟くティアにアニスが『なんちゃって花嫁』と笑う。
「まあ、私もびっくりしてるけど。まさかデモンストレーションのためのに花嫁役をやってくれと言われるなんて思わなかったし」
「でも素敵ですわよ」
ドスの裾を軽く摘み、照れ笑いをする旋華。陛下から頼まれたのはそれだった。陛下の飲み友達がウェディングコンサルタントをしているといい本来、今日デモンストレーションで新郎新婦役をやるはずだった二人が前日になって来られなくなり陛下に泣きついたと。迷惑な話だ……とは正直言えなかった。
「綺麗ですよ」
「あ、ありがとうございます」
自分でも驚くくらい素直な感想を言う。旋華は私から視線を逸らしながらも朱に染まったままの頬でジェイドさんもお似合いですよ。と返す。
「……ちっ、バカップル」
「あ、アニス!」
両手を腰に当ててまた舌打ちをするアニス。はははっ、と笑う私に対し更に真っ赤な顔をしする旋華。本当に可愛い方ですねぇ。今は口が裂けても言いませんが。
「模擬結婚式ってどこまでやるの?」
「どこまでって……何がだ?」
一人で動けない旋華のドレスの裾を持って一緒に動きながらアニスがそう言えばさぁ、と訊ねてくる。その意味がわからないルークが目を丸くする。その辺りには疎いルークにアニスが決まってるでしょ!と怒鳴る。これにティアとナタリアも少し呆れたような表情をする。