純白を纏いし愛しき貴女
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あの皇帝は一体何を言い出すのでしょう。いきなり突拍子もないことを言ってくるのは珍しいことでもない。
ですが……
今回ばかりは感謝しましょうか。
「と言うわけで、ジェイドに旋華。頼んだぞ」
「その頼まれる意味がわかりません」
話を遡ることもの30分ほど前。たまたまグランコクマを訪れ、面倒ですが宮殿まで足を運んですぐにこの馬鹿皇帝は何の前触れもなく厄介ごとを押し付けてきた。
「……私も勘弁して欲しいけど……」
陛下の下らないお願い事をあっさりと断るかと思えば、何故か少し悩んでいる旋華。それにはアニスやナタリアもそうだよねぇ~、などと一緒に頷いている。
「……私も、ちょっとだけ……」
ティアまでもが頬を少し染めてそう言う。女性からしてみればそう言うものなのでしょうか。すでに論外とされているルークとガイは安堵の息を吐いているというのに。
「にしても、何故そのような話が陛下の元に来るのですか?」
こんな話、どう考えても皇帝陛下に来る話ではない。当然貴族や軍人にも然り。私の問いに歯切れ悪く適当な弁明でもするかと思えば、あまりの期待を外さない回答に出るのは溜息とは。
「俺の飲み友達がな、どうしてもって聞かなくてな」
どこをどうしたら一国の皇帝と一般市民が飲み友達になれるのか知りたい……いえ、知りたくもありませんね。
「旋華はどうだ?」
「興味は、あります」
話を持ち出された旋華はOKとは言わないものの興味はあると答える。今度はお前はどうだ?と目で訊ねられれば、私がどう答えるかなどわかってるでしょうとでも言いたそうにもう一度溜息を吐いてやる。
「よし、決まりだな」
決定を言い渡せば女性陣は顔を輝かせ旋華を囲う。彼女らの気持ちのわからないルークは唖然としているが、ガイに関しては半ば残念そうにしているように見えたのは気のせいにしておきましょう。
「俺に感謝しろ」
「ははは。この事は後で参謀長官殿にでも報告しておきます」
正直に感謝の言葉など口にするのも少々悔しいので平然を装ってそう返してみれば、友達がいのないやつと口を尖らせる。ですが、本当は結構感謝してますよ?