愛しき貴女に安らぎを願う
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「イヤあぁぁぁーっ!!」
「真咲!」
腕を掴んで起こそうとすると叫び声にも似た悲鳴を上げる真咲。目を見開き私と目が合う。少しずつ意識がはっきりしてきたのか安堵したように息を吐く。魘されていたせいか額にはうっすら浮かんでいる。
「ジェ、イド…さん?」
私の名を呟き、安心したのか強張っていた体から力が抜け倒れそうになった真咲の体を支えやる。余程、酷い夢を見ていたのか彼女の体は震えていた。
「……また、何かの夢を見たのですか?」
真咲の顔を覗き込み問えば彼女は力なく頷く。そして、ポツリポツリとさっき見た夢の内容を話し始める。暗い部屋。顔の見えない誰かがいた事。翳された光は全てが恐怖で満ちていた事。夢の中だというのに死を覚悟した事。死んだと思った事。初めて人を殺したときより、ヴァンに斬られたときより怖かったと言う事。たぶんケテルブルクの辺りから見始めたはずだと言う事とその時の事はよく覚えていないと言う事。
「……何かの暗示」
前回も似た感じだったと呟く。結果的に死んではいないがヴァンに斬られて血溜まりに倒れる。そしてその夢は当たった。予知夢のような夢は真咲の能力で、『千里眼』という。それはイオン様からではなくアッシュから聞いたと言っていた。
「……ディストに捕まったときに、その…ディストの笑った顔が、何か怖くて」
その時のことを思い出したのかまた体がまた震え始める。何か考え込んでいるのか思い出したせいなのか今にも泣きそうに顔を歪める。
「ーーっ!」
キュッと目を瞑りまた体を強ばらせる。そのまま真咲は私に抱きついた。不安からだろうか……誰かに縋りたかっただけだろうかそれでもいい。私は細い彼女の体を抱きしめ返した。