肝試しより怖いもの?
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「だって~」
首から離れ涙を流したままジェイドを見上げる。前にいたはずのイオンの手が雪姫の肩に後ろから置くことなんて出来ない。こんな奇怪なことは有り得ない。
「ちょっとしたトリックですよ」
クスッと笑い涙に濡れる雪姫の瞼に触れる程度に唇を落とす。普段なら怒るか顔を真っ赤にする雪姫だが、今日は思いがけない体験に動揺しているのか再びジェイドに抱きつく。
「イオン様。やりすぎですよ?」
「ふふふっ。でも楽しかったです」
満足そうな笑顔で雪姫を抱き締めるジェイドと腰を抜かしたままのアニスの頭を撫でるイオン。今回の肝試しの勝者はジェイドとイオンということで話は纏まった。ただ肝試しが終わった後でもイオンが行ったトリックだけは分からずイオンに訪ねたが、
「秘密です」
とあの笑顔で誤魔化されてしまい何を聞いても教えてくはくれなかった。トリックを知っていると思われるジェイドにも聞いた。そうしたら、
「もう一度、あなたから抱きついてくれたらいいですよ?」
と冗談半分に言うと、雪姫は「もういいです!」とハリセンを投げつけてアニスのいる本日の宿の部屋に戻った。
「アニス」
「なに?」
ベッドの上で膝を抱える雪姫とアニス。
「もう肝試しは止めようね」
「うん」
二度とこんなことはやらないと二人は誓った。話を聞いたルークらも否応無しに頷き、この件は闇へと葬られたのだった。
肝試しより怖いもの?
(怖かったけど……ジェイドに抱きついちゃった方が恥ずかしい)(今回はイオン様のお陰で役得でした♪)