肝試しより怖いもの?
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「それは脅かしじゃなくて攻撃!40点!」
「いったーい!」
ぱしーんっと小気味のいい音が暗い廊下に鳴り響いた。それと共にアニスの緊張感のない悲鳴も一緒に。
「誰だー!って雪姫?」
「他の連中は騙せても私には効かないよ!」
頭を抑えて涙目で振り返るとそこにはハリセンを構えて仁王立ちする雪姫の姿。いきなりのことに頭が追い付かず瞬きを繰り返すアニス。
「はっはっは。私の後ろに雪姫が隠れてたのには気付かなかったようですね」
「これって肝試しですよね?なんでハリセンなんか…」
「ダメ出し専用だよ。当然」
ジェイドの隣に立ちあははって笑う雪姫にアニスは「なんなのぅ」と頭に両手を置いてぐるんぐるんと回す。
「雪姫」
名を呼ばると同時に後ろから肩に手を置かれる。声の方に顔を向ければ前でまだ頭を回しているアニスの隣にイオンがいた。「イオン様」っと笑みを浮かべようとしたがあることに気付いて思考を止めた。
「どうしました?」
顔色の青ざめていく雪姫に気付いたジェイドは彼女の顔をのぞき込む。真っ青になった雪姫は油の切れた機械のようにゆっくりと堅い動きで自分の肩に首を向ける。そこには……確かに手が置かれていた。しかも見る限り手は見慣れたイオンの服の袖から出ている。けど当のイオンは目の前に立っている。
「き、きゃーーっ!」
絹を裂くような悲鳴を上げて隣のジェイドの首に抱きつく。その光景は雪姫だけじゃなくアニスとジェイドも見た。アニスも雪姫同様に顔面蒼白になり、ジェイドは抱きつかれたことに驚いたがすぐに小さな笑みを浮かべた。
「じじじジェイドさん!ててて手がぁ!」
「大丈夫ですよ」
彼女から抱きついてきてくれたことが嬉しくてそのまま抱きしめ返す。耳元でそっと呟き、背中を撫でる。雪姫のように恐怖の表情を浮かべたアニスも腰を抜かし、巨大化したままのトクナガに抱きつく。
「ジェイドさーん」
ひっくとしゃくり上げて泣き出したの頭を数回撫でて「大丈夫」と繰り返してやる。