肝試しより怖いもの?
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ふとマルクトに来たのが運の尽きだったのか……事が終わったとき皆が皆後悔した。やらなければよかった、と。
「ほんとにやるの?」
少々呆れ顔でその建物の前で溜息を吐く雪姫。いくら閑静な住宅地とは言えさすがは首都の住宅地と思える大きな建物が並び建つ中、一件の荒れ果てた屋敷の前にパーティはいた。
「やーるーのー!取り壊す前にせっかく陛下から許可貰ったんだから!」「俺、こういうの一度やってみたかったんだ」
お子さまコンビのアニスとルークはやる気満々。その後ろでティアとガイはただ雪姫と同じ様に溜息を吐き、ナタリアとイオンの世間知らずコンビは十分乗り気。ジェイドはただニコニコと笑っている。
「この年になって"肝試し"なんてやるとは思わなかった」
「そうですねぇ……わざわざその為の衣装まで借りて」
見るからに何か出そうな屋敷。それを偶々見つけたアニスがどうせ取り壊すならやってみたいとピオニーに申し出た。そういうことが好きなピオニーは二つ返事。あわよくば自分も加わるつもりだったから。が、家臣に見つかりそれは叶わなかったが。それでも肝試しをするという彼らにそれ用の衣装を貸し与えた。
「で、どうやるんだ?」「それでしたら二人一組で脅かし役と回る役を順にするのは?」
腰に手を当ててやるのはいいがどうやるんだと尋ねるガイ。一組が回っている間は他の組は脅かし役になればいい、と何だかんだ乗り気なジェイドがそう提案した。
「よろしいのではなくて」
「ですがどう分けるんですか?」
ペアはどう決める。今度はそう訪ねるティアにアニスが目を光らせた。
「そ・れ・な・ら!こうしましょ!」
パッパッと近くにいる人間の手を引いて立たせる。並んだ二人が顔を合わせ、アニス一人が満足げな表情を浮かべる。
出来上がったペアは……ルークとティア、ガイとナタリア、イオンとアニス。そして、ジェイドと雪姫。
「アニス……こうした意味は?」
「え~と、それぞれの国の上司と部下!」
「待て!俺とティアは違うぞ!」
額に手を当てて項垂れる雪姫に頬に指を立てるアニス。がすぐにルークが反論し、それにはティアも頷く。