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「これはお節料理って言うの。私の生まれた国ではお正月…年が明けた時に食べるんだよ」
これでよしっと最後の一つを盛りつけ終えると満足そうな笑顔を浮かべる[#dn=1#]。「さすがに材料は全部揃わなかったけど」と付け加えて、色々な料理が入った箱を重ねていく。
「真咲の国では当たり前なのかい?」
「全部の家で食べるわけでもないけどね。ただ、この料理には一品一品に意味が込められているの」
重ねた箱に蓋をして「これは明日の朝にみんなで食べようね」とキッチンにある音素式譜業冷蔵庫に入れる。
「…意味、ですか」
「はい。黒豆は一年、元気に働けますように、昆布巻きはよろこぶにかけてます」
あとは栗金団は豪華さ、海老は長寿、伊達巻きは知識と文化の発展を込めて…と一つ一つ解説していくと、ルークとアニス以外はうんうんと興味深げに聞いている。特にジェイドは自分の知らない知識になのでより興味を持ったようだ。
「何かめんどくせー」
「こんなんで叶うなら苦労しないよね~」
と呆れたような声を上げるルークとアニス。
「いいんだよ。願いを込めることに意味があるんだから」
そう言うと「あ~疲れた」と体を伸ばす真咲。後片付けの邪魔だからみんなは出ていってとキッチンから追い出すと、ジェイドだけがそこに残った。
「ジェイドさんも休んで下さい」
「手伝いますよ」
二人の方が早いでしょう?とにっこりと微笑んで言われれば断ることも出来ずに、じゃあお願いしますと渋々頭を下げる。片付けが終わり部屋に戻ろうとするとジェイドに呼び止められ手を掴まれ引かれた。転びそうになる真咲を受け止め耳元に顔を近づけ、
「あなたにもよい年になりますように」
と囁いた。例の如くの不意打ちに真咲は顔を赤くしたが、
「ジェイドさんにもよい年でありますように」
と微笑み返す。
この先ずっと…幸せでいられますように……
09.01.06