偶然がくれた恋だった
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目を覚ましたらもう日は暮れていて、眠ってしまった私をジェイドはベッドに運んで腕枕をしてくれていた。細いと思った体は意外と筋肉質で、何とも心地よかった。
「起こしてしまいましたか?」
少し体を動かさせば、閉じられていた瞼から赤い目が見えた。目が合うと何か気恥ずかしくて、目を逸らしてしまう。だってまさか、こんな関係になっちゃうなんて思いもしなかったんだもん。
「こっちを向いて下さい」
まだ何も身に纏っていない私の体を自分の方に引き寄せる。寝ている状態なのに見上げる形で彼の顔を見れば、すごく優しい笑顔を浮かべていた。
「さてどうしましょうか?」
「えっ、何を?」
まるで困った様子を見せてないのに、どうしようかとか言ってるし。何がと問えばにっこりと微笑むジェイド。
「このまま帰らないか、もしくはあなたを連れ去るか、ですよ」
はい?と間抜けな声を上げれば彼はこう言った。
「私はあなたを手離す気なんてありませんよ」
って。
だからこのまま残るか、私を連れて元の世界に帰るか悩んでいると。元の世界に戻れるの?と訊けば、彼はあっさりと「ええ」と答えた。
「何の偶然か分かりませんが、私はあなたに出会えたことを感謝してますよ」
「わ、私もです」
こんな偶然な出会いなんてないです!って寝たままの状態で抱きつけば、ジェイドは「そうですね」って私の黒い髪にキスを落としてくれる。
出会いがこのベッドの上で、互いの出会いの感謝もこのベッドの上ってある意味すごいよね?でもいいの。幸せなんだよ。今がすごく幸せなの。私なんかを愛してくれるなんて、私に愛させてくれて……これ以上にない幸せ。
しばらくこのまま抱き合って互いの温もりを確かめていた。
偶然がくれた恋だった
(やっぱり連れて帰ります)(ええ?)(嫌ですか?)(嫌じゃないです。連れてって!)