When is a birthday?
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「ううん、暑いなら暑いでいいんだけど……」
「他に何かあるのですか?」
ティアの問いに首を振る。暑いのが得意というわけではないが、と付け加えて。暑い時期に生まれたけどこの季節が嫌い。その意味が分からないと言うジェイド。
「まぁ…大したことじゃないけど」
けど本人からしたら大したことでと言う感じに言葉を濁す。大したことではないのならそんなに言葉を濁すことではないのでは?とみな首を傾げる。
「……私の生まれた時期は台風っていう強風豪雨の気象現象があるんだけど……」
そこまで言って一回、息を吐く。些か遠い方を見ているのは気のせいではないだろう。
「……その台風がね私の生まれた日に襲ったの」
「でもでもその台風ってその時期に起きるんでしょ?」
はぁともう一度溜息を吐く真咲にアニスが手を挙げて問う。真咲も力なく「うん」と返事する。
「それだけだったらね……その台風が百年に一度とかいう大台風でね」
雨風が酷いってものじゃなくて1メートル先も見えないわ窓ガラスは割れるわ、交通機関は全部麻痺するわ。少し田舎に行くと土砂災害は酷いと言ったものでもなかった。しかも………
「私が産まれる二時間程度だけ。すぐに太陽が出て……でも被害が酷くてね。その時間に産まれたのって私だけなんだって…」
そのことを散々人に言われて以来、誕生日が嫌いになったと。大したことないと言われれば大したことはないのだが、真咲からすれば「そんな日に産まれるな」という言葉がトラウマのように残ってしまっていたのだ。
「壮絶だな…」
「二時間だけって…」
想像は付かないが真咲の表情を見る限りそれは恐ろしいものだったのだろうということは理解できた。それにはさすがに哀れだと同情までしてしまう。