酒は吞んでも飲まれるな!
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「…ありがとうございます」
逃げていった男達から視線をジェイドに上げて述べると「はぁ~」と溜息が返ってきた。
「何ですか?ジェイドさんたちがいなくなるから…」
「あなたにではありませんよ…いえ、多少はあなたにもありますね」
溜息を吐かれたことにムッとした表情で睨むとジェイドが呆れた表情で返してきた。その意味が分からず訝しげな顔で首を傾げる。
「酒場にはああいった輩がいるのでガイにも来るように言ったのですが…役には立たなかったようです」
ジェイドの言葉に華は目をぱちぱちさせてキョトンとする。
「あなたもあなたです。何故、軍服を脱いでたのですか」
「えっ、と…暑くなってきたから」
立ったままの華に座るように促し、軍服を着ていなかった理由を問う。ジェイドが席を外したときは華はまだ軍服を着ていたからだ。その理由を酒を呑んでいるうちに暑くなってきたからだと、華は答えた。
「軍服を着ていれば、ああいう輩は近づいては来ませんよ…まぁ、私も長々と席を外していたのがいけなかったのですが」
説教にも似たことを言われ、その通りだと首を竦めて落ち込む華の頭をジェイドは「すみませんでした」と優しく撫でる。
「今回はいい教訓になりましたね」
「…はい」
数回頭を撫でられ、顔を上げると先程までは目が笑っていなかったが今は優しく華に微笑んでいた。
「あんな輩にもう触れさせませんよ」
ボソッと呟くと華が「ジェイドさん?」と名を呼ぶ。それに対してジェイドは「何でもありませんよ」と微笑む。そして直ぐに何を思いついたのか、口角をあげて何かを企てていているような笑みに変えた。