陽だまりの中の温もり
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「…どうしよう」
身動きが取れないので何とか手が外れないものかとジェイドを起こさないように組んである指を外そうとするがどうも上手くいかない。どうしたものかと困惑する光。
「おはようございます」
「―っ!!」
悪戦苦闘している光の耳元で声がした。誰かは分かっている。
「…ジェイドさん…お、驚かさないで下さい!」
「おやぁ~先ほどは”ジェイド”と呼んでくださったのに今度は”さん”付けですか?」
ジェイドは光の腹から手を離し今度は肩に手を置きそのまま自分のほうに光を向かせる。次に手を腰に回し、先程のように手を組んで逃げられないようにする。その表情は何を考えているのか、いつもの何か企んでいるような笑みを浮かべていた。
「(し、しまった…起きてたんだι)」
よくよく考えてみれば、ジェイドがそんな簡単に居眠りなんてするはずも無い。狸寝入りなんて誰も気づかないだろう。
「は、はははははっ…」
ジェイドから視線を逸らし、空笑いする。正直、バツが悪い。どう話を逸らせようか頭の中で考えを巡らせる。
「…あっ!!」
逸らせた視線の先を見て光が突然声を上げた。ジェイドも光の視線のほうに目を向けると、そこには本が一冊落ちている。
「あ~もうすぐで読み終わったのに…」
ジェイドが腰に手を回されている為、手を伸ばしても地面に落ちている本には届かない。その本と本の近くに落ちている栞をジェイドが拾い、光に手渡す。
「その本は…以前、私があげたものですか?」
「そうですよ~…うぅ~、何処まで読んだかわかんなくなっちゃた~」
手の中の本をぱらぱらと捲る光。