陽だまりの中の温もり
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「(陛下がハマったのってこれなのかな?)」
確かそんなことを言ってたようなと思いながらページを捲っていく。
「ふぁ~」
陽気の良さのせいか、夜遅くまで本を読んでいたせいか、眠気が込み上げてくる。小さく欠伸をして、そのまま本を読み続けているとますます眠気は強くなり、うとうとし始めてしまう。ものの数十秒後には眠気に負けて、首が落ちた。
みんなと離れてジェイドは一人で散歩をしていると少し先の木に寄りかかっている見慣れた少女…いや、女性が見えた。
「光」
傍に歩み寄り、名を呼んだが反応はない。光の前で腰を下ろし、顔を覗き込んだ。彼女の膝の上から落ちたのか、地面に本が落ちており、読みかけだったのか栞も本の近くに落ちている。
「光?」
完全に夢の世界に落ちてしまったらしく、名を呼んだくらいでは起きなかった。すーっと手を伸ばし頬に触れ撫でてみても起きない。ジェイドは少し考えた後、眠る光を一度、横抱きにして持ち上げる。
光の寄りかかっていた木に今度はジェイドが寄りかかり、抱き上げていた光を自身の足の間に下ろす。そのまま彼女を自分に寄りかからさせ、抱きしめるよう光の腹の辺りで手を組む。ふんわりと香水の匂いがした。野宿が続いたりすると、手持ちの香水をつける。光によく似合う少し甘い柑橘系の香り。
ジェイドは眠る光の肩に自身の額を置き目を閉じる。
「(…暖かい)」
光の背中から感じる温もりと微かに香る香水の匂いにジェイドは段々心地良くなっていく。異世界から現れ、特別な力を持つ女性…。最初はルークより少し年上かと思えば実は十歳近くも年上だった。