陽だまりの中の温もり
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「ティア」
光がティアの背を軽く押し、トクナガを持っててあげなと言うとティアは一瞬、躊躇したもののアニスからトクナガを受け取る。可愛い物が好きなティアは言うまでもなくトクナガを両手で抱きしめ、頬を赤く染めている。
「まぁ、なんて言いましたの!?」
少し離れた所からナタリアの声が聞こえた。
何事かとそちらに顔を向ければナタリアとガイが何やら揉めている…というよりナタリアが一方的にガイ何かを言ってるようだ。
「だ、だから、無理だって!」
「なぜですの!?わたくしがこんなに頼んでいますのに」
一歩一歩近づいてくるナタリアから腰を引いて後退りするガイ。
「あの木の実を採りたいから背を貸しなさいと言っているだけではありませんか!」
「それが無理だと言ってるんだι」
木の上になっている実を採りたいと言うナタリア。そこには手が届かないからガイの上に乗って採ろうということだろう。女性恐怖症のガイには到底無理なこと。そのやり取りを微笑ましく見つめながら、いつまでも仲のいい幼なじみの二人を光は羨ましくも思えた。
それぞれが思い思いの休憩に入った中、光はみんなと少し離れた所の木に腰を下ろし寄りかかる。荷物から本を一冊取り出して、栞の挟んであったページを開き読み始めた。この本はフォニック文字を読めるようになった際にジェイドが光にプレゼントした物だった。
「(あともう少しなんだよね)」
本はなかなか面白かった。何かの冒険物…一種のファンタジー小説で意外とハマってしまい、時間があれば例え1ページでも読んでいた。ページ数もかなりのもので読み応えもあった。