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「…何でジェイドのほうが大きいんだ?」
ぼそりと呟くと「はい?」と真咲とジェイドは声をハモらせた。
「だから何でジェイドのほうが箱が大きいんだ?」
不服そうな表情を浮かべたと思った瞬間、今度はニィーっと笑った。
「愛の差か?」
唐突なピオニーの言葉に真咲と珍しくジェイドまでも固まった。
「そ、そんなわけないじゃないですか!」
「何を言ってるんですか」
真っ赤になった顔と両手をぶんぶんと振る真咲。ジェイドも眼鏡に手を置いてはぁーっと溜息を吐く。が、当のピオニーはニヤニヤ笑ったまただった。
「まぁ、それはともかく。真咲」
「はい?」
にやけ笑いからいつもの笑みを浮かべて真咲の名を呼ぶ。
「俺ならいつでも嫁にもらってやるぞ」
と、真咲の頬をひと撫でし「茶を頼んでくる」と言って部屋の外へと消えていった。プロポーズ紛いな事を言われた真咲は口をパクパクとさせてピオニーの消えていった方を見ていた。
「………」
ピオニーの消えていったほうを見つめつつ「もー」と撫でられた頬を擦る。ふと隣をみれば今度はジェイドが不服そうに黙り込んだ。どうしたのだろうと首を傾げれば、ばちっと目が合う。
「えっと…どうかしました?」
私何か悪いことしましたか?と問うと「いいえ…」と視線だけ逸らすジェイド。
「で、私の方が箱が大きい理由は?」
「えっ?…それは、ジェイドさんにはたくさん迷惑を掛けたりお世話になったりしてますし……」
不服そうな表情からいつもの余裕のある笑みを浮かべたジェイドに少々戸惑い、段々と声が小さくなっていく。
「…な、何でもないです!」
「おや~?そうですか…ではお返しを楽しみにしててください」
とびきりの物をお返ししますよ、と微笑む。ホワイトデーのことは話してないのにこの人は…敵わないなっと「はい」と微笑み返す。
淡い想いを隠した氷もいつしかチョコレートのように甘く溶けていく。