見えざる鼓動
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それでこれ、どうするの?」
これ、と言ってアニスが指差したのは発見されたノートパソコン。元々がどういう代物かわからないから、私以外の人間はどう扱っていいのかがわからない。
「とりあえず起動させて中を確認かな。でも、その遺跡の方を先に確認したいから……グランコクマからの連絡待ちが先かなぁ」
イオンがピオニーに連絡を取ってくれている。でもオールドラントには電話やネット環境なんてないからすぐに確認できるわけがない。という訳で私の休暇は1週間そこそこで終了。
「ピオニー陛下らかの連絡待ちかぁ。しばらく何にも出来ないね」
「それじゃあ困るから一足先に遺跡の調査しちゃおうかとも思ってるんだけど……」
それに関してはイオンやシンクから渋る声があった。調査をしちゃいけない云々ではなくてやはりグランコクマからの連絡を待った方がいいという事。一応私はマルクトの軍属だから何かあった時の責任問題とかもあるのだろう。
「じゃあ大佐が来るのかな?」
ふふふっと笑うアニス。全く、人の事になるとこうなんだから。ただ彼が来るかもという事に関しては否定できない。私が何かに巻き込まれたと聞いたら今ある仕事を誰かに押し付けてでもやって来るだろう。ただでさえ戻ってきたばかりだというにこんな状態になってしまったのだから。
「とりあえず、シンクが後で調査資料を貸してくれるって言うからそれ見てみるよ」
彼らの調査の結果を読んでおいて損はない。パソコンの中身と照らし合わせる為にも。あとはグランコクマから、と言うかたぶん…いや、確実にジェイドが来るだろうから彼が来るのを待つばかりとなる。
「……まぁ、ちょっと準備だけしておこうかな。時間が勿体無いからパソコンも起動させるよ。アニス、悪いんだけど誰も来ないような部屋とかってない?」
「ほへ?部屋?」
これの調査やらなんやらするのに出来れば関係者以外には見られないようにしたいの、と。
「うーん。じゃあ、イオン様に聞いてみるね」
そう言ってアニスは宿屋の私の部屋から出て行った。アニスが戻るまでやる事ないなぁ。仕方ないから準備を先にしておこうかな、と紙とペンを用意して幾つもの文字を書き並べていく。きっと彼に必要になるから。