浮上する事変
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「お呼び立てしてすみません」
イオンの部屋の入るなり突然の謝罪の言葉に私は首を振る。しかし、ずいぶんと部屋の空気が重い。室内にいるのはイオンとシンクのみ。何があったというのだろう。
「もう!真咲たちアニスちゃん置いていく……あれ?」
ノックもなしに部屋へと入ってきたのは一人勝手に行ってしまったアニス。怒鳴りながら入ってきたのだけど重苦しい部屋の空気にその言葉を止める。
「アニスもちょうどよかったです。実は真咲に聞きたいことがあったんです」
事によってはガイとアニスにも力を借りようかと思ってましたと言葉を続けた。私に聞きたいことなんてなんだろうか。昨日の様子からはそんな事はなかったと思うけど、一晩で何かあったのだろうか。
「これがなんだか、アンタにはわかる?」
シンクがイオンの机の上に出したのは四角い箱のような物。ガイとアニスはなんだこれ?と首を傾げたが、それに見覚えのある私はその物体に手をかける。カチっと部品をスライドさせて蓋を開ける。正確に言えば蓋ではない。
「……なんで、オールドラントにノートパソコンが?」
「これは最近発見された遺跡から発見されたんだよ」
先日、発見してベルケンドで調べてもらっていたんだけど何も成果はなかったと。私が昨日ここに来たことでもしかして知っているのかもと思って見せたと説明された。
「これは私の世界のここで言うならば譜業です。用途はいろいろあるので中を見てみないと何とも言えませんが……」
それにしてもなんでこんなものがこの世界にあるのだろう。私がトリップした時はノートパソコンなんて持ってなかった。だからこれは私のものではない。
「休暇中に申し訳ありませんがもし可能ならこれとその遺跡の調査を真咲にお願いしたいです。もちろん、ピオニー陛下には僕のほうから報告しますので」
発見されたばかりの遺跡から見つかったノートパソコン。何か意味があるのか。全員の視線が私に注がれる。
「……わかりました。私も気になります。ぜひ協力させて下さい」
一度目を閉じ、ゆっくりと開けてそう返事をした。海の向こうの彼はきっといい顔はしないだろうけど、これから何か起きる暗示がしてならなかった。