浮上する事変
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「どうもこうも、グランコクマには二日しかいなかったからただ慌ただしかったよ」
軍に復帰は決めたけど戻ったばかりだから少し休息をとる事にした。私としては挨拶回りをしたいからと願い出たら一ヶ月の休暇をもらった。貰った休暇を無駄には出来ないからすぐに支度を始めて実はグランコクマではあまり休んでない。ジェイドはジェイドで仕事があるからゆっくり話せた時間は実は少なかったり。まぁ、何もない事もないけどそれはアニスには話さない。また、からかわれるから。
「えぇ~せっかく根掘り葉掘り聞き出そうと思ったのにぃ!」
「アニース。そんなに血の雨が見たいのかな?」
ガシッと頭を鷲掴みして力を入れれば、みしっと音がした。痛い!痛い痛い!と連呼するアニス。今日はすんなり離してあげないんだから。さすがにもう13歳の子供じゃないのだからそんな簡単には容赦はしない。
「ごめんなさい!ごめんなさい!もう聞きません!」
「いい加減学習能力付けようね」
同じような事を何度したと思ってるのか。元々おませで今はお年頃だから仕方ないかもしれないけどその事を話す気なんださらさらない。
「私よりアニスはイオン様とどうなの?」
「ふへ?わ、私の事はいいじゃん!」
私がいなかった間に二人の進展はどうなのかと問えば、アニスは顔を真っ赤にして先を歩き出した。
「逃げたね」
「逃げたな」
人の事は茶々入れてくるくせに、自分の事となるとすぐ逃げる。まぁ、イオンにまだ後ろめたいというか罪悪感があるのかもしれないけど。
「そういえば聞かなかったけど、ガイはどうなの?」
「どうって?」
この話の流れならわかるだろうに、惚けるつもりなのかな?
「好きな人とか恋人とかだよ」
二年もあったんだから女性恐怖症だってだいぶ克服したはずだと思うし。ガイならより取り見取りな気がするんだけどな。
「……陛下のブウサギたちが恋人かな」
遠くを見ていったその言葉に私は、ああとしか言えなかった。
「アンタ達こんな所にいたんだ」
声の方にガイと同時に振り返るとそこにはシンクがいた。その表情は険しい。ちょっと来てよ、とイオンの部屋の方へと歩き出す。ガイと顔を見合わせて彼の後をついていった。