情報の欠片
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「ますばこの件をイオン様に報告ですかね。あくまで考察の域を超えてませんが」
開いていたファイルを閉じる。時計を見るとまだ夕方でイオンに報告に行くには少し遅い気もする。でも夕飯を食べるにはやや早い。もう少し調べてみようかと違うファイルを開こうと動かした私の右手にジェイドの右手が重なる。
「今日はもう終わりにしましょう」
「でも……っ!?」
やれる事はやっておいた方がと彼の手を退かそうとしたら首元に柔らかで生暖かい感触が。それに体がピクッと反応して声にならない悲鳴をあげる。反射的に自分の首元に手を置き後ろを振り返るとジェイドが何やら不吉な、けど満面の笑みを浮かべていた。あ、これなんかヤバいやつ。その勘はたぶん正しい。
「明日からさらに忙しくなりますから、今日は私を構ってください」
三十後半、アラフォーの男性の小首を傾げる動作にドキドキというよりズッキューンときてしまった。いろんな感情が葛藤している。自分に正直に生きるのか大人として節度を持って対応するのか…いや、もう彼の好きにさせるという選択肢しかないのか。笑顔なのに有無を言わさないような態度。が、構っての意味を聞いたら最後な気もする。
「え、えっと…夕飯でも食べに行きま、す?」
「そうですね。早く済ませてしまえば時間はたっぷり余りますねぇ」
自分でフラグを立ててしまったか!嫌とかそうじゃないんだけどまだ何というか色々慣れていないせいか素直に受け入れられない。向こうとしては私が帰還早々、グランコクマを離れてついでに事件にも巻き込まれてかなり不満は溜まってるはず。
「……ほ、ほどほどでお願いします」
「それで済むと思ってるのですか?」
ですよね!けどいつ誰が尋ねて来るかわからないから無理です、と思いはするが口には出せなかった。拒絶したらあとでもっと大変な目に遭う。まぁ、私だって一緒にいられるけど二人でゆっくりは出来てないから寂しい。
「でもやっぱりほどぼとにしてくださいね?」
ジェイドの軍服を軽く掴んで彼を見上げる。すると満足そうな笑みを浮かべて顔を近づけてきた。きっと永遠に勝てないんだろうなぁと思いながら彼を受け入れた。
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