情報の欠片
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「……一通り目を通した筈だけど」
ガイが退出したあとノートパソコンを起動させる。何度も起動させているうちにパスワードは覚えてしまい小慣れてしまったようにキーボードを打つ。そんな私の後ろにパソコンを覗き込むかのように立つジェイド。
「とりあえず一緒に確認してみましょう。まだあなたの世界の言葉は覚え切れてませんが」
平仮名、カタカナならともかく漢字も込みになるとさすがにジェイドでも覚えるのは大変なようだ。まぁ簡単に覚えられると今までの私の苦労は何だったのかと思うが彼の場合、いろいろ規格外なのでそうなったら諦めよう。
「……ふむ」
いくつかフォルダー内にあるものを開いて読んでいるとジェイドが後ろで声を上げる。何かあったのかと彼へと振り返ると、顎の辺りに手を置いて画面をじっと見つめている。その表情は少し難しいものを見るような感じだった。
「何か気になる事でも?」
「今、開いているものはあなたの世界の新聞の記事を集めた物、でしたよね?」
画面に映っているのは日本国内外を問わない新聞記事。正直なところ、日本のもの以外は私も読めない。英語なら単語を拾って何となくわかるが、中国語やフランス語みたいになると全くわからない。ただジェイドの問いには答えられるので、そうですと答える。
「私の認識違いでないのなら記事のほぼ全部が戦争の事を記してませんか?」
そう言われて彼に向けていた視線を画面へと戻す。文字は読めなくとも写真を見る限りではジェイドの言う通り、そう言った内容だった。
「……全てが戦争関連ではないですが。どちらかというと軍事内容の方が多いですね」
私がいた頃でも内紛とかは世界規模ではないにしても戦争はあった。大きな国ともなればいつ戦争が起きてもいいようにか兵器の開発など今でもしているのだから。自国が他国に比べて安全だったし、そういった武器を保有できないので記事の写真なんて気にしてもいなかった。
「真咲の世界でも戦争はありましたか?」
もちろんあなたがいた頃までですが、付け加えて問うジェイドに私は顔を顰めた。それを返事だと思ったのか後ろから溜め息が聞こえる。