届かぬ一手
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「例えばどんな風にだ?」
「お金に関しては真咲の世界の持ち物を売ったとか。読み書きに関しては街を歩き回って人々の会話から察しながら覚えたとかですかね」
ジェイドの言葉に私はガイと互いの顔を見た。思うことは一つだろう。それが出来るというならば、
「それは…相手はもう一人ジェイドさんがいるようなものですよね」
「気配を悟らせなく魔物を倒す事なくお金を稼いで文字は周りを見聞きして覚えるとなると相当の賢い人物だな」
フォニック文字だけでいいなら文字数は日本語より少ない。英語とか外国語ができる人なら見聞きして得た情報で読むことは出来るようになるかもしれない。言葉が通じないわけじゃないから会話は出来るんだし。
「あとは地球の物を売ってお金にするですか…」
「オールドラントに無いもので金目になるものか。真咲の世界の譜業とかか?」
「それはなんとも。明日、イオン様に報告をしてシンクあたりにダアトの街で珍しい物を売る青年がいるか調べてもらいましょう」
ダアトの街もけして狭くないから人海戦術で片っ端から当たるしかないだろう。そういう人がいたら目立ちそうだけど、ここ暫くはローレライ教団も神託騎士団もゴタゴタして忙しくそこまで把握できてないかも。シンクあたり文句言って来そうだけど。
「真咲はどう思いますか?」
ジェイドがこちらを見て問い掛ける。どうやってお金を調達したのか。地球から、異世界から来た私の意見も聴きたいのだろう。
「地球の機械…譜業を売ったというのはリスクが高いような。妙な物を売りつけた者がいるとか騎士団に通報されそう」
仮に売ったとしても文字が読めないからどう扱っていいのかわからずガラクタ扱いされそう。シェリダンやベルケンド辺りなら解析しそうだけど。
「もしコミュニケーション能力が高い人なら、財布を落としたとか言って港や街で短期の仕事して稼ぐとかもありそうですけど」
「なるほどな」
「だとしても情報が少ない以上は思いつく方法は試して確認した方がいいですね」
私は幸いすぐにジェイドとアニスに助けてもらったからその辺りのリスクはなかったんだけど。もし私の時、周りに誰にもいなくて自力でなんとかしなくちゃいけないとなると…たぶん一人じゃ無理だなぁ。