見えた影
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「あの遺跡にいた人物の痕跡がない以上、探しようがないです……」
私の能力ではこれが精一杯。ただかなり頭のいい人物だと言うことはわかる。でなければあんな資料を残すわけが……資料を残す?
「真咲?」
その疑問に違和感を覚える。プラスチック爆弾を作れて、核の資料まで作れる程の頭のいい人物がわざわざ自分の存在を知らしめるように遺跡にパソコンや資料を残したんだろうか。
「……あの人物は、私たちに探させようとしている……?」
「何のためにさ?」
何のために。確かにそうなんだけど、普通なら隠しそうなんだよね。普通は策があるなら実行するまで隠しておくものなんだろうけど、あの人物は痕跡を実は残していた。オールドラントではなく地球の人間で、危険な物を作っているという痕跡を。誰という特定はできないけど、いたという痕跡は残ってたいた。
「確かに……おかしな話だね」
ダアトから大して離れていない、でも今まで見つからなかった遺跡で生活をしていた。私と同じ日にトリップしてきたのなら三年以上も隠れ続けたことになる。しかも地球では魔物なんて出ない。あの遺跡から街に行くには最低一回は魔物と遭遇するはず。ホーリーボトルを買うにもお金が掛かる。どうやって生活をしていたのだろうか。
「何か身体的特徴がわかればいいのですが思い当たる事はありませんか」
「私の国の人間は基本、黒髪黒目ですが…」
髪は染めてしまう人が多い。目にもカラーコンタクトを入れてしまえば色なんて変えられてしまう。
「……確証はないですが、もしかしたらその人物を見ればわかるかもしれないです」
「はぁ?それが誰だかわからないから行き詰ってんの!」
シンクの言いたいことはわかる。確かに遺跡にいた人物がどんな人物なのかわからない。わからないけど、わかるかもしれない。
「この人物が私と同じ日本人なら、その見た目や雰囲気でわかるかもしれない」
私の世界は国の人種のよって外見が異なる。紙や目の色だけじゃなく肌の色や体格、あとは言葉。言葉に関してはオールドラントではあまり関係ないかもしれないけど。
「一度ダアトの街を見て回ってみます」
他になんの情報が無い以上はと、イオンとシンクは頷いた。