見えた影
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「ではこれだけでは何も起きない、と言うことですか?」
先日の遺跡の調査結果をイオンへと報告する。起爆装置がなければただの白い塊、少々違うけどこれが一番わかりやすい。世界が違う以上、そういった物の種類も違っても仕方がない。
「今回の件の事をキムラスカの方には報告してあるんですか?」
「書面では報告済みだよ。ただ遺跡が見つかっただけであとは何もわかってなかったからね」
それ以上は報告しようがない、とシンクが肩を竦めた。それに関してかイオンも今後の調査結果次第では協力を要請するかもしれないと表情を硬くした。マルクトはすでに私とジェイド、ガイが調査に参加しているけど、それは私の元いた世界が関係していたから。二人は軍に復帰したばかりの私のフォロー役でもあるし。
「……やはり、真咲の世界が関係していましたか」
「パソコンが出てきた時点で確定していましたけど、あの遺跡にあった物の大半は地球関係の物ばかりでしたからね」
メモやノートに書かれていた文字は日本語。たまに英語とかいろいろあったけど、どちらにしてもオールドラントのものでないのは間違いないのだから。
「ですが、あの遺跡を研究所のように使っていた人物に関するものは何も出てきませんでした」
地球だったら調べようがあっても、オールドラントでは調べようがない。指紋とか髪の毛とかよく刑事ドラマで見たような調査は出来ない。いや、調べるための元のデータがないから比較しようがない。あそこを使っていた人物は身分証みたいな、自分を表すようなものは残していなかったから。
「にしてもどこに行ったんたか」
それが次の問題。遺跡を発見してからずっと見張りを置いていたけどあの辺付近に人が現れた形跡はない。遺跡へ行くための道にすら怪しい人物は現れなかったのだ。
「ダアトや港に不審人物は見られなかったんだよね?」
「それらしい人物は発見できてないね」
たぶん、普通の旅人に装っている。それも全く不自然がないように、とシンクも表情を変える。
「……見えない人物、ですか」
気味が悪い。いろいろ発見できたのにそれがどんな人物なのかわからない。ただその人物は恐ろしくて頭のいい人物なんだという事だけはわかった。