意外な来訪者
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「あまり喜ばしくない情報ばかりだけどね」
ふぅと息を吐く。調べれば調べるほど物騒なものしか出てこない。まだ調べなきゃいけない事が多いけど一人だとどうしても時間がかかる。
「こればかりはお前に頼るしかないのか」
「頼られるのはいいんだけど、私も全部がわかるわけじゃないから」
専門用語が多すぎる。アレも調べるまでは爆弾ってわからなかったし。この人物はそういった事を専門にした仕事をしているか研究者か。
「一人じゃ限界はあるからジェイドさんや他の人の知識も借りるよ」
「呼びましたか」
音も立てずにティーカップが乗ったソーサーを机に置く。どこの有能な執事だよの思わずツッコミを入れたくなったのをグッと堪える。この人に常識を求めちゃダメだ。
「失礼ですねぇ」
「ぎゃあ!だから読心術はやめて下さいって!」
耳に息を吹き込まれて大きな声を上げてしまう。本当に迂闊な事を考えられない。
「……お前たちはいつもこうなのか?」
「私だって好きでやってるわけじゃないもん」
たまに何か間違った気がする。ふとそう思う事が何回かあるとさすがに考えたくなるけど、どうせ離れる事なんて向こうはともかく私もできないんだから諦めるしかない。
「私たちの事はともかく、もし……もし可能ならリグレットも手伝ってくれない?」
長年ヴァンの右腕をしていた彼女の手腕は今回の一件でも必要になる。戦闘に関しても頭脳に関しても冷静な判断に関しても。手を貸してもらえるならこれ以上に心強い人はそうはいない。
「……真咲には借りがある」
それは了承してもらえたと思っていいのだろう。ありがとう!とお礼を言えば、おかしな奴だと笑われた。
「未来を知っていたとはいえ敵であった私たちを救い手を求めるなんておかしな奴だと」
「お互いの信念は違ったし敵と認識してはいたけど、今は違うでしょ?」
人の考えなんて十人十色。必ずしも同じじゃない。もう敵対する理由はない。
「彼女はこういう人です。我々の常識は通じませんよ」
「全くだな」
「なんかバカにしてない!?大事な事だからもう一回言うけどバカにしてない!?」
クスクス笑う二人に尋ねるけどその答えは返ってこない。あれ?本当に褒められてるんだか貶されてるんだかわからなくなってきた。