暗雲の兆し
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「……僕を巻き込まないでよ」
「アニスちゃんは!?」
本気で嫌そうな表情をするシンクと頬を膨らませるアニス。シンクはここの責任者でしょ?アニスは…理解できる?と言うと二人は言葉を詰まらせた。まぁシンクはなりたくて責任者になりたかった訳じゃないだろうけど、アニスに至っては私の元の世界の文明文化を理解しなくちゃいけない。
「そういうのは大佐にお任せしまーす」
あまりにもアニスらしい態度の変化に今度はみんなで苦笑した。こんな些細な事も懐かしくてなんだか嬉しくなる。
「……にしても、ここにいた人はどんな人なんだろう」
正直なところあまり好感が持てない人だとは思う。パソコンのロックの有無はともかくこんな内容を書き記しているのだから。さっきガイが見つけたものも気になるし。しっかり調査しないとな。
「あまり気負い過ぎないようにお願いしますよ」
あなたはすぐ無理をしますからね、と私の肩に手を置くジェイド。その言葉にガイとアニスもうんうん、と頷く。相変わらず私の大丈夫は信用ないらしい。
「当然です」
「だから人の読心術はやめてください!」
迂闊な事を考えられないから困る。前科があるからそこに関しては何も言えない。それでもちょっと悔しいから少しだけ唇を尖らせる。
「おや、キスの催促ですか?」
「そんなわけありません!つ、疲れる……」
一気に脱力感が体を襲う。ニコニコしているジェイドとニヤニヤしているアニスが憎たらしく見える。
「あんた……いつもあんな感じなの?」
「私だって好きでこんなやり取りしてるんじゃないもん」
不安で仕方ない私に少しでも気を楽にさせようとしてくれてるんだと思うけど、なんか違う気がしてならない。遊ばれてる感のほうが強くて。
「シンク。とりあえず回収したものを一度ダアトに持ち帰って調べたいんだけど」
「ここに兵を置いて行くし、真咲たちが自由に出入りできるようにしておくよ」
思った以上に大変な仕事かもしれない。今回に限っては私が中心にらなきゃいけないし。あ、ちょっとめげそう。
「じゃあ、戻りましょうか」
ともかく少しずつ解明していくしかない。何が待ち受けていたとしても。