暗雲の兆し
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「シンク。このメモも回収していい?」
「いいよ。どうせ僕たちじゃ意味がわかんないんだし」
うーん。何か棘があるけどいいか、シンクだし。壁に貼られたメモを剥がし纏める。
「真咲。こんなのあったけどー?」
アニスが見せてのは何か粘土のようなもの。手に取って見たけどただの粘土にしか見えない。
「……何だろう……」
「とりあえず回収しておいたらどうだい」
何かはわからないけど調査していけばわかるかもしれない。持っていける物は回収しちゃって一つずつ照らし合わせていく方がいいかな。私は剥がして纏めた壁のメモを無くさないようにカバンへと仕舞う。よくよく見れば机には今は懐かしい使い慣れた文房具が散らばっていた。これも回収しておこう。
「ここを使用していた人物に繋がるような物はみ当たらないな」
「私たちがわかんないだけかもよ」
そう言ってガイとアニスが私を見る。確かに地球の言葉がわかるのは私だけだからどれがそういった物になるかなんてみんなにはわからない。
「真咲。これは何ですか?」
そこの隙間に落ちていました。と手渡されてのは小さな黒い棒のような物。カチッと蓋の部分を外すと銀色のコネクタ部が現れた。
「USBメモリ……パソコンなどに接続して中のデータを移すことが出来ます」
用途は様々ですがパソコンの容量がいっぱいになった時に移したり、他の場所にデータだけを持って行く時とか事に使う事が多いですかね。と説明してみたけどパソコンを使った事がないみんなにはあまりピンと来ないようだ。ジェイドだけが口元に手を置いて、なるほどと呟く。
「これはあとでパソコンに繋いで中を確認してみます」
「やれやれ、こればかりは我々ではどうしようもないのであなたに頼るしかないのですね」
言語表を作ったけど完璧に訳せるわけではない。文明文化の差はどうしても出てしまう。私はオールドラントで実際に生活して慣れたからともかく、それを知るには私の知識しかない。それが歯がゆいのか苦笑いを浮かべるジェイド。
「何か作業をする際はジェイドさんやガイにシンク辺りがそばにいる時にしますよ」
そうすれば翻訳と説明が出来ますしね、とUSBメモリも丁寧にしまう。