新たな始まり
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「ジェイド、真咲」
宮殿の外まで行くと後を追いかけてきたかのように小走りでこちらへとやって来たのはガイ。
「どうしたの?」
ブウサギを連れてないからブウサギの散歩じゃない。ならこれから貴族院の方に顔を出すのかな。それとも何か用があるのかと思い、二人で彼の方へと向き直る。
「ピオニー陛下らからの命で真咲の挨拶回りに俺も同行することになった」
「ガイが?」
別に私一人でも行けるのにどうしてガイに同行を、と私は首を傾げる。
「そんな怖い顔するなよ。まぁ、真咲がいない二年で色々変わったところもあるからっていう配慮だよ」
怖い顔?と一瞬何の事だと思ったけど隣の人から唯ならぬ空気を感じてそれは飲み込む。預言撤廃してから二年。ルークとアッシュによってローレライも解放され、世界は大きく変わったのかもしれない。一見、変わってなさそうだけどきっと違うのだろう。
「でも、ガイの仕事はいいの?」
「これも仕事だよ」
「主に陛下のパシリですけどね」
気にしないでくれと笑うガイにジェイドも笑いながらそう言った。正直笑えないのは私だけなのだろうか。マルクトに戻ってからブウサギの散歩担当になってるようじゃ強ち間違いじゃないだろうけど。けど、ジェイドを動かせないところをガイが動くということもしてるから信頼は厚い筈。
「じゃあよろしくね」
「ああ」
「ガイ。わかってますよね?」
よくよく考えると一人旅は気楽だけど寂しいよね。ガイだったら気心しれてるし、旅してる時とそんなに変わらないし。
「わ、わかってるさ」
にっこりと微笑むジェイドに顔を引きつらせるガイ。
「真咲。気を付けなさい。あれは狼の皮を被った狼ですから」
「おい」
何がわかってるのかと思えばそういうことか。心配してくれてるんだね。
「大丈夫ですよ。ガイは紳士ですから。ね、ガイ」
「あ、ああ。もちろんさ」
もう昔と言えるくらい前にその心配するなうなことはあった。でも大丈夫だろう。微妙に引きつったままの表情は気になるけどあえて触れないでおこう。
「みんなに会うのが楽しみです」
久々の再会に思いを馳せ、私は天を仰いだ。