先ゆく不安
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「イオン様~。大佐と真咲連れてきましたよ~」
リズミカルなノックのあと、部屋の主の返事も待たずに中へと入るアニス。まぁイオンだから怒ることはないだろう。実際、彼はにっこり微笑んだ私たちを出迎えてくるた。
「アニス、ありがとうございます。ジェイドも忙しい中、ありがとうございます」
「構いませんよ。仕事は部下と陛下に押し付けてきましたから」
部下はともかく、ピオニーもって。満面の笑みで発せられたこの言葉に私とアニスは顔を引きつらせた。
「早速ですが事の詳細を説明しますね」
これが資料ですと、ジェイドに数枚の紙を手渡す。そしてイオン自ら、遺跡の調査の事を話し始める。
「……という訳で、真咲の力を借りざる得なくなりまして」
オルードラントに戻ったばかりの私を巻き込む事にはあまり快くは思ってない様子を見せる。しかしそういう訳にもいかなく、イオンの中でもいろいろ葛藤しているようだ。
「私の事は気にしないでください。手伝える事は何でもやらせて下さい」
「彼女はこういう人ですしね。それで、真咲。成果の方は?」
先程の私の言葉を覚えていたのだろう。見せて下さい、と手を出す。私も持っていた数十枚の紙の束をジェイドに手渡す。
「それは発掘されたノートパソコンの中にあった論文…みたいなものを書き写したものとフォニック文字で訳したものです」
ペラペラと紙の束をめくるジェイド。最後の一枚で手を止める。これは?と、いった風に私を見る。
「もしかしたら必要になるかもしれないと思いまして。その論文のようなものを私の国の言葉で書かれたものと簡単な言語表です」
フォニック文字で訳したものと訳せるように二枚用意した。あとひらがなとカタカナの表もあったほうがいいと思いフォニック文字での表記も脇に振ってある。
「すぐに読み書きは出来ないかもしれませんが必要になるかもしれませんし、ジェイドさんなら使いこなせるかと」
遺跡の中を調査した時に日本語で書かれた物が出てこないとも限らない。むしろそれしか出てこないかもしれない。ならば、一人でも言葉を理解してくれる人がいる方が助かる。