先ゆく不安
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「あなたもまぁ、何かよく巻き込まれますね」
苦笑を浮かべながら言ったのは、思ったより早く到着したジェイドだった。イオンからの連絡があってすぐに出てきたとか。行動が早いです。
「戻ってきて一ヶ月も経たないうちに妙な事件に首を突っ込むからですよ。私が心配しないと思ってるのですか?」
「……返す言葉もありませんが読心術はやめて下さい」
教会の階段前で待ち合わせをしたのはいいけど開口一番にそれを言われると返せない。心配してくれるのは嬉しいけど心配ばかり掛けてて申し訳ない。
「とりあえずイオン様のところに行きましょうか」
ここで話をしていても仕方ない。今回の件はマルクトも合同調査という名目を立てることになったらしい。まぁ私がいないと進展が望めないからと。と言っても調査に参加するのは私とジェイドとガイなんだけど。
「この件に関してジェイドさんからも意見が欲しいので後で見てもらいたいものがあります」
「私にですか?」
まずはイオン様とシンクの話を聞いてからですけど、と返す。細かい事情は聞いていないだろうから事の始まりを聞かなければならない。
「ガイはどうしました?」
「シンクの手伝いをしてますよ」
やってる事はグランコクマでやってる事と差して変わらない。要は雑用をやっている。これを聞いてジェイドは、彼は根っからの使用人気質なんでしょうね、と笑った。
「あまり無理はしないでくださいね」
顔に疲れが残ってますよ、なんて言われてしまった。昨日、ずっと作業してたから一晩寝たくらいじゃ回復はしなかったみたいだ。それでもそんな事を見てすぐにわかるのは彼ぐらいだろう。私の大丈夫は相変わらず信用してくれないみたいだから。
「ジェイドさんも来てくれたから少しは楽させてもらいますよ」
「おや?自分より年寄りをこき使うつもりですか?」
悪い人ですねぇと少し意地の悪い笑みを浮かべて私の頬を撫でる。うっ、言葉を詰まらせて後ずさりしようとしたら腰に手を置かれて阻まれた。この人、教会内で何をするつもりだ?
「こんな所でイチャつかないでもらえますかぁ」
棒読みちっくに発せられた声の方に二人で振り向けば、腰に手を当てて呆れたような表情をしたアニスがいた。