見えざる鼓動
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「この部屋を自由に使っていいって。あとこれ、シンクから預かったよ」
「ありがとう、アニス」
貸してくれた部屋は教会内ではなく、本部の方の一室。ここは関係者以外は入れない。更に私に与えられた部屋は師団長副師団長クラスの人しか入れないエリアにあるとか。イオンの許可を得て、いつでも出入り出来るように特別な木札も貰った。
「アニスちゃんはこれから他に仕事入っちゃったから夕方にまた来るね」
たぶん、シンクやアリエッタ辺りが様子見に来ると思うから、と言ってアニスは出て行った。
「じゃあ、やりますか!」
ノートパソコンを起動させれば見たのはいつ以来なのか、懐かしいと思える画面が映り出す。パスワードの入力。これはシンクが持ち帰ったメモに書かれていたアルファベットと数字で問題ないと判断して入力するとトップの画面へと切り替わる。それにはさすがに安堵した。これで開かなかったら遺跡の調査まで本当にやる事がなくなってしまうから。
「怪しい…もとい、なんか有益な情報が入ってるファイルとかあるかなぁ」
ぶっちゃけて言うならパソコンはそこまで強くはない。精密機械の組み立て修理ならドンと来い!なんだけど。とりあえずは中身の確認。
「……うーん…うん……」
なんじゃこりゃ。最初に見つけたファイル名が新規フォルダーのままのもの。ひたすらアルファベットや数字や記号が打ち込まれている。何かのプログラムか何かなのかな?そっちに関しては私はさっぱりわからない。
「……こっちは」
フォルダー2と表記されたものを開く。こちらは普通に日本語とたまに英語が打ち込まれている。内容はこれまた難しいものばかり。過去にあった原爆の事や核実験の事や色々な実験の内容だった。何故こんなものが?誰かが論文でも打ってたのかな?
「こっちは、パスワードがないと開かないか……」
適当に入れるわけにはいかないな。他のファイルは遺跡の調査をしてからにしよう。正直なところ、シンクから借りた資料は今の所はあまり役には立たない。
「仕方ないな」
これになんの意味があるのかわからないけど論文の打ち途中っぽいものをフォニック文字に訳しておこう。遺跡の調査の時に関連したものが出てくるかもしれないし。そう思い画面とにらめっこしながらペンを走らせた。