新たな始まり
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「本当によかったのですか?」
謁見の間を退出するや否や、彼は少しだけ眉を寄せた。その話は昨日もしたはずなんだけど、と溜息を吐きたくなったけど、私のことを思っての事と思うとそうもいかず、笑顔でいいんですと返す。
「今更、他の職なんて思いつきませんし、その力も持ってますから」
オールドラントに戻り、ピオニーに挨拶はしていたけど、まだ私の今後の事は未定になっていた。一応、まだマルクト軍に所属していたけど、私の場合は身分を保証するための軍属だったから世界が落ち着いた今では、軍人でいる必要はない、と言われた。それでも軍に所属するという事を改めてピオニーに報告したのがついさっきである。
「永久就職という手もありますよ?」
「そ、それは……その……」
永久就職……要は結婚ということ。私やジェイドの年齢を考えるならそれも有りなのだろう。昨日、プロポーズもされ、私も承諾している。けど、だ。
「……もうちょっと……先でも……ダメですか?」
嫌とかそういうのではない。ただ、戻ってきてすぐに結婚とかは考えられないだけ。なんせ二年も別の場所にいたのだから。ルークやアッシュとはずっと一緒だったけど、まだ挨拶してない人たちもいる。
「正式に復帰する前に挨拶に行かなくちゃいけない場所もありますし」
ダアトに行きイオンや他の元六神将、ユリアシティのテオドーロさん、バチカルのインゴベルト陛下の元にも挨拶に行かなくてはならない。昨日は直接、グランコクマへと戻ってしまったから。出来ればみんなもゆっくりと話がしたい。だから、一ヶ月ほど時間をもらった。久々のオールドラントということもあったから。
「私は仕事で同行できませんが、一人で大丈夫ですか?」
「子供じゃないんですから大丈夫です」
この人は私を幾つだと思ってるのだろうか。まぁ、年齢を口にしたら殴るというか、しばらく口を聞かないしよう。そろそろ敏感な年頃なのだから。そこまでデリカシーのない人じゃないと思いたい。
「会いたがっているのはあなただけではありませんしね」
「今から楽しみです」
私が知る結末とは違う結末。その行く末はどうなっているのか気になって仕方なかった。特に私の我が儘で助けてしまった人たちがどうなったのかが一番気になっていた。
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