8話 変化の片隅に
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「?」
目を丸くして私自身も自分を指差した。何で?と。ジェイドが私の前に庇うように立つ。
「――その人に用がある、です」
私を指差したまま、アリエッタは言う。
「私…?」
何のことか分からず、首を傾げるとアリエッタは頷いた。
「――ママから、聞きました…あなたが、助けてくれたって。だから、お礼を言いに、来たです」
アリエッタは手を下ろし、またぬいぐるみを両手で抱く。イオンと私以外の全員が何のことだという表情をする。助けてくれた…そう聞いたということは、もしかして…。
「何言ってんだ?」
沈黙の中、ルークが眉をしかめた。ティアやガイも同じ表情をしている。ここに来るまで『人間』を助けた覚えはない。
「アリエッタのママは、森を燃やされてチーグルの森に住み着いたの。…ママは仔供達を、アリエッタの弟と妹たちを守ろうとしていた」
アリエッタがそこまで言うとティアが疑問を零す。
「まさか、ライガの女王のこと?でも、どう見ても彼女は人間――」
ティアの言葉にイオンがええ、と頷いた。
「彼女は赤ん坊のころに戦争で両親を失って魔物に――ライガクイーンに育てられたと聞いています。そのことで、魔物と会話できる能力を買われて、神託の盾に入隊したと……」
イオンの説明にルークとティアがハッとした。チーグルの森で戦ったライガクイーンがアリエッタのママだと気づいたのだ。その場に居たはずのジェイドは無表情のまま。