1話 世界の始まりと出会い
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「私は…きりし、真咲。真咲・霧島です」
「マサキ…霧島ですね。どこから来たのですか?」
まさか、本当に答えてくれるとは思わなかった。ただ一瞬、ドキっとしてしまった。やはり、顔は良い…そして子○ボイス(笑)名乗ると間髪入れずに質問された。確かに名前だけ言われても困るよね。しかしどうしよう…まさか「ゲームの世界にトリップしちゃいましたv」なんて言えないし。ええいっ、女は度胸だ!!
「信じてもらえなと思いますけど、異世界からです…たぶん」
異世界ってのは嘘じゃない。確かにここは私の住んでいる世界ではない。けど、ジェイドの顔は険しい。当たり前か。いきなり”異世界”って言われても普通は信じられないよ。
「たぶん、というのは何故ですか?」
質問攻めですか…てかジェイドが一人で森にいるということはここは初期のイベントのチーグルの森?だとしたら、イオンを捜しをしている途中かな。アニスはいないのかなぁ?
「聞いているのですか?」
握られたままの手を引かれた。少し体を屈めたせいかジェイドの顔が私の顔の近くにあった。
「――は、はいっ。えっと、私がさっきまで居た場所と違うことと…私の世界にはあんな生き物はいないです。いきなり消えたりもしないです」
間近で見つめられているのが恥ずかしくなって、彼から顔を逸らした。絶対に顔は真っ赤だ。言い終えてから、ジェイドの方に顔を戻して話す。ジェイドはふむっと考え、黙った。沈黙が怖い。まぁ一応、狼はいるけどあんなに大きくはないし。魔物が存在しないのは本当だし。
「とりあえず、今は信じましょう。ですが、まだ聞きたいことはあるので私と来てもらいますよ?」
そう言い、ようやく手を放してもらった。ずっと握られてい状態だった手は汗ばんでいた。大半は緊張だろうけど…
「…私も分からない事だらけですし、行く宛もないので連れっていただけるなら、その方が助かります」
いきなり殺されるとかはないだろうし、私が”この世界”に来た意味はきっとあるはず…たぶん。そう信じないと怖くて仕方ない。
「ちなみにあなたは何処に居たはずなのですか?」
私は置き去りになっていた荷物…トートバッグを肩に掛けて、ジェイドの横に行くと少し真面目な顔で聞いてくる。
「そうですねぇ、説明するのが難しいので、落ち着いた場所に着いてからでもいいですか?」
ジェイドを見上げて言う。正直、電車の説明が面倒くさい。専門家じゃないんだから、説明なんて出来ないよ。
「まぁ、いいでしょう…もう一ついいですか。あなたは音素は知らないのですか?」
ああ、さっきの魔物のことか。さすがにゲームをやったので知っているとは言えないね。私の世界での”音素”は意味が違うしなぁ~。
「私の世界では音韻体の単位だったと思いますが…」
自信無さ気に言う。そんなの習ったのは相当、昔だから仕方ないよ。てか、よく覚えてたなぁ自分。