1話 世界の始まりと出会い
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「荒れ狂う流れよ――スプラッシュ!!」
声がした。私ではない、もっと低い声。何やら物音がした気がするけど気の、せい?でもまだ私の耳は聞こえてる?私、死んでいない?
「大丈夫ですか?」
その声に恐る恐る目を開けて見れば、目の前にいたはずの魔物は光となって消えていった。そしてスッと、私の前に影が出来た。声の主と思われる人物が立ったからだろう。顔を上げて、声の主を見る。
「―――!?」
開いた口が塞がらないとはこのことを言うのか、私の目の前に立ち、右手を差出してのしいるその人物に驚いた。その人物は今ハマっているゲーム、テイルズオブジアビスのあのジェイド・カーティスだった。亜麻色の長い髪に雪の様に白い肌。眼鏡の下にはどんなことも見透かしてしまう赤い瞳。蒼を基調とした軍服を身纏っていた。口を開けたまま呆然としている私にジェイドは手を差し出したまま怪訝そうな顔をしていた。
「えっ!?あっ、はいっ」
差し出されているジェイドの手を借りて立ち上がる。すると彼は私の手を放さないまま、左手を自身の顎に置き、私を見ていた。つま先から頭まで。何となく考えていることがわかるよ。どうみても怪しいよね。見たこともない格好してるしねぇ。
「助けて下さってありがとうございます……」
とりあえずお礼は言う。助けてもらったのは事実だし。
「あなたは何者ですか?」
手を握られたまま、軽く頭を下げてながら言う。ジェイドは少し驚いた顔をした。けど、すぐに戻りそう尋ねられた。やっぱり……と、無意識に視線を横に逸らした。
「見たことのない服に黒い髪……目は茶、色素は薄いようですが。どちらにしても怪しいはの間違いないですね」
そりゃあ、疑われるよねぇ~。タンクトップの重ね着に上はピンクのシャツワンピ、スキニーデニムと白いスニーカー。アビスの世界にこんな服装の人なんているわけがない。
「それで、あなたは何者なんですか?」
先程より低い声で聞かれる。この人が本物のジェイド・カーティスなら、無い知恵を絞ったって勝てるわけがないんだけど…本当の事を言うわけにもいかないし。あぁ、めっちゃ見られてるよ。
「…人に名を尋ねるときは自分から名乗るのが礼儀なんじゃないですか?」
私はバカか~!怪しいから、尋問されてる(はず)のにこっちが聞いてどうするよ。怖くて顔が見れない。思わず下向いちゃったよ。刺す
「そうですね。私はマルクト帝国軍第三師団所属、ジェイド・カーティス大佐です」
そう微笑みながら答えた。普通ならその綺麗な微笑みに目を奪われそなものだが、恐怖しかない。だって眼鏡の下の赤い目は笑ってないもん。