エピローグ
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「よしろかったの?公爵家で行われるルークとアッシュの成人の儀に、あなたも呼ばれていたのでしょう?」
タタル渓谷にティアの歌が響き渡る。彼女らがいる所からはレプリカホドの瓦礫が見渡せる。月に向けて差し伸べていた手を、歌い終わると同時に胸のへと添えるティア。その彼女の後方に、ナタリア、ガイ、アニス、ミュウ、ジェイドが立っている。
「ルークのお墓の前で行われる儀式に興味はないもの。それに、ナタリア。あなたもそうでしょ?」
振り返ることはせず、目を伏せたティア。彼女の言葉にナタリアは小さく頷いた。
「2人共、そう思ったからここに来たんでしょ」
「あいつらは戻ってくるって言ったんだ。墓前に語りかけるなんてお断りってことさ」
全員で夜空に光る月を見上げる。二年という月日は短くも長かった。
「そろそろ帰りましょう。夜の渓谷は危険です」
「大佐……」
彼もまた待ち人がいる者の一人。彼らと共に消えていった彼女をただひたすら待っていた。別れなど告げていない。だからただ待つだけ。ジェイドに促されて、渓谷を降りようと一行。ティアも名残惜しそうに、座っていた石から降りる。
「どうして……ここに?」
ふと、瓦礫の方へと振り返るティア。そこには赤い髪を揺らした青年が二人。黒い髪を結うことなく流す女性が一人立っていた。ティアの様子に気付いたジェイドたちも立ち止まり振り返る。
「ここからなら……ホドを見渡せる。それに……約束したからな」
赤毛の青年の一人が笑う。その懐かしい笑みを見てティアが涙を流す。ジェイド以外が、青年たちの元へと歩いていく。黒髪の女性はそんな彼らに笑みを浮かべた後、そのまま前へと歩いていく。ジェイドの前へと立ち、もう一度笑みを見せる。
「ただいま帰りました」
変わったのは髪の長さ。年齢の割に幼さの残るその笑顔にジェイドは少し表情を歪めて、女性を抱き寄せる。彼女の温もりを確かめてようやく笑みを見せる。
「全く……いつまで待たせるつもりだったんですか?」
「これ以上待たせるつもりはありませんでしたよ」
体を離して、互いの唇を触れる程度だけ重ねる。そして二人で振り返ると赤毛の青年と仲間たちが彼女らへと手を振っていた。